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必要性は低いが欲求は高い

配信日:2011年

今年はスマートフォン市場が大きく伸びた年でしたね。
2010年、570万人だった市場規模は現在では980万人にまで広がったとのこと。約2倍です。日本の人口が1億3000万人。単純に国民の10%程度がすでにスマートフォンを使っている計算になります。

もちろんドコモショップもソフトバンクもいまでも携帯電話は売っていますが、買換えを考える消費者は「じゃあ俺もスマホにするか」となるのはごく自然なことになってきているのではないでしょうか?

ところでスマートフォンの短縮語としては「スマフォ」が正しいのか、「スマホ」が正しいのか、誰か教えてください。表記も人によってまちまち。これが「パソコン」や「キムタク」「ファミマ」など曖昧さのない言葉ならいいのですが、こういう時にどう発音するのかよく分からなくなります。とりあえずここでは「スマホ」としておきます。

それはそれとして。
今回、考えたいのは「新カテゴリーはどのように市場に定着していくのか」ということです。私がよく使うツールの一つに「ニーズ・ウォンツマトリクス」があります。これはコンシュマー・インサイトの道具でして、縦軸に必要性、横軸に欲求をとってその大小を検討するものです。

詳しくは書きませんが、人間はモノを買う時の心理状態として4つのパターンがあります。

1つ目は「その商品は必要だし欲しい」と思うパターン。この時、モノは面白いように売れます。2つ目は「その商品は必要だけど欲しくない」と思うパターン。例えば人間ドックに入る時の気分はこんなものです。こういう商品は最後の最後にならないとあまり売れないことが多い。3つ目は「その商品は欲しいけど必要ない」と思うパターン。例えば一般的な生活をしている人にとってフェラーリはそんな存在でしょう。4つ目は「その商品は必要ないし欲しくもない」というもの。例えば、20代の若者にとって養老保険はそんな存在です。

この中で注目するのは3つ目のパターンです。「その商品は欲しいけど必要ない」。まさにスマホも去年あたりはそのように思われていたのです。

そんな商品でも目新しいものに飛びつく人は必ずいます。これがイノベーターと言われる人たちで、新たにビジネスを起こした人にとっては「最初のご祝儀」とも言えるありがたいお客様です。

しかし世の中に広げるほどの力はありません。なぜなら多くの人々にとって「その商品は欲しいけど必要ない」と思われているからです。ここで終わっていく商品は非常に多いと思われます。

一方、世の中に広がる商品は「みんなが使っている」という認識を作り出せた商品ではないかと思います。そこにはパブリシティの力もあれば広告の力もある。または偶然の力もあるでしょう。いずれにしても「みんなが使っている」という認識を作り出せた商品は「自分も乗り遅れてはいけない」との思いから必要と思われるようなのです。

いまどき「必要だけど今までなかった」というような新製品はほとんど存在せず、多くの新製品が「欲しいけど必要ない」というところから出発するように思います。いかにして必要性を上げるかが大事なのですね。それによって「その商品は欲しいけど必要ない」から「欲しいし必要だ」という自己説得が起こるわけです。これがスマホ市場が拡大した理由。ここに「実績がブランドを作る」と言われる理由があります。

最近ではiPhoneをauも扱うようになり、「ドコモも扱うらしい」というようなガセの噂(?)も出たりして、ソフトバンクユーザーの私としては複雑な思いではあります。iPhoneもそのうち「ワクワクするもの」から「単なるツール」になるのかもしれないなと思います。パソコン市場で起きたコモディティ化と同じ流れを感じずにはいられません。

さて「スマホ」か「スマフォ」かの呼び方ですが、是非、どなたか教えて下さい。

もし「スマホ」であったならスマートフォンはより日本人の生活に定着してきたと思います。なぜならフォンよりもホンという発音のほうが日本語化しているからです。かつてエコのことを「ECO」とアルファベット表記していたのに、それが生活の常識になったことで「エコ」とカタカナ表記になりました。日本語化することが最もわかりやすい定着度合いを示すのではなでしょうか?

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