究極のダイエット法

配信日:2012年7月25日

日頃、食事や買い物でよく使う恵比寿。私の事務所からは歩いて7分ほどです。飲食店も多種多様で何かと誘惑の多い街ですが、その入れ替わりも早い。先日もちょっと変わったファストフード店がオープンしました。

「東京チカラめし」というチェーン店。まだ私は入ったことがないのですが、「焼き牛丼」が看板商品のようです。煮込みの牛丼ではなく焼くのですね。しかもそのユニークな牛丼をカレーのトッピングなどにして供するメニューもあるようです。店内はいつ見ても混んでいて、その中にはガツン系フードの好きそうな中年男性以外にも若い女性も食事をしています。「そんなに食べて太るよ」とちょっと心配にならないでもありません。

90年代中盤くらいから低価格化のトレンドのなかで「安い食品」が世の中に溢れるようになってきました。しかも面白いのは、それらの食品は総じて高カロリーだということ。「安いコストでカロリーを十分に蓄積できる食品」の氾濫。これは平成に入って出現した食パラダイムの変換、デフレ型の食習慣と言えるかもしれません。

先日、17年来の友人であり私のマーケティングの師匠でもあるIさんにお会いしました。見事に痩せられていてびっくりしました。「どうやって痩せたのですか?」するとこんな事をおっしゃいました。「何かをやって痩せようという発想を思い切ってやめることにしました」

『世の中にはダイエット食品などが多くありますが、そもそも痩せるために何を食べるかという問いかけが間違っています。何を食べてもそれはカロリーの摂取になる。これらは所詮、対症療法です。では根本療法は何かというと、食べること自体を考えるのを止めることです。お寺の坊さんは精進料理のようなものばかり食べている。あれは精進料理だから痩せるのではなく、あんな味気ないものしか身の回りにないとしたら、そもそも食べること自体への興味がなくなるわけです。つまり食べることを考えなくなる。だから太らないし痩せているのではないかと思うのです』(6月22日に拝聴)

確かに考えてみるとイギリス人とフランス人では、圧倒的にイギリス人のほうが痩せていて、むしろ顔色が悪いようなイメージがあります。これなどもイギリス人が身の回りに美味しいものがあまりないからではないかと思います。食べること自体にあまり興味が沸かない。一方、フランス人のように生きることと食べることを同一視しているような民族はそういうわけにはいきません。常に食べることを考えているのでダイエットも空振りに終わるのでしょう。まあ、一概ではないはずですが。

Iさんのインサイトが優れているのは「カロリー摂取の問題ではなく意識の問題だ」と捉えることです。食べること以外で頭をいっぱいにすることがポイントです。考えてみれば賢いやり方です。食べること自体に興味がなくなれば、無理して食べるのを控える必要もありません。

ただ、こういう習慣付けによって人生が味気なくなると考える人も多くいることでしょう。しかし、では寺の坊さんは味気ない人生を送っているのかというと、そうでもありません。もちろん彼らも時には食べることを楽しんでいると思います。要は、意識を変えることで何かが犠牲になるわけではない。すべての人生観がガラリと変わってしまうわけではないのでしょうね。それならちょっと挑戦してみてもいい。

そこで私もそれに挑戦中です。しかし恵比寿を歩いていると食べることを連想させる誘惑が多すぎるのです。まだまだお寺の坊さんのようにはいかないようです(涙)。

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