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スピーチの力

配信日:2012年11月14日

先日の土曜日、スピーチの講習会に参加してきました。主催は「スピーチの教科書(ダイヤモンド社)」の著者、佐々木繁範さん。佐々木さんはソニーで歴代CEO付のスピーチライターでもありました。

非常に素晴らしいセミナーでした。内容も素晴らしかったですが、参加者も素晴らしく意識の高い方々ばかりで発言の一つ一つが会場の雰囲気を高みに押し上げているような感覚がありました。

日頃、経営者やマーケターはプレゼンテーションなどスピーチをする機会が多いものです。聴衆を惹きつけるのはもちろんですが、それ以上に行動を起こさせることがスピーチの目的だと知りました。よって彼はこれに「エンパワー・スピーチ」行動する勇気と力を与えるスピーチと名づけました。私の中では「コミュニケーション」の定義がまさしくこれです。コミュニケーションとは影響力を与えるもの。相手の信念を揺さぶり行動を起こさせるものです。

そのようなスピーチを行なうにはどうしたらよいか?

これが本セミナーの目的でした。佐々木さんがおっしゃるには「オーディエンスの波長を知り共鳴(レゾナンス)を起こしていくことだ」と聞きました。レゾナンスとは聞きなれない言葉かもしれません。簡単に言うと理屈を超えた強い共感を呼び起こすことです。そしてこのセミナーそのものも、そのようなレゾナンスの上に成り立っていたと思いました。

スピーチの話になると、やはりスティーブ・ジョブズの話題は避けられません。その素晴らしさについて、いまさら私が何かをいう必要もないでしょう。今回のセミナーではジョナサン・アイブのスピーチを見ました。

ジョナサン・アイブ。アップルでプロダクト・デザインを担当した責任者です。雰囲気を見ると、どこかスティーブ・ジョブズに似ているように感じました。これは私の想像ですが、尊敬しているのでしょう。友人であり上司であり、そしてメンターなのだと思います。

スティーブ・ジョブズの追悼式典での彼のスピーチがありますので紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=6PcbNAKXm8w
(音量に注意してください)

ちなみに登壇の際、ティム・クック(青いシャツの男)と交代した後、最初のほうで映るサングラスの金髪女性がスティーブ・ジョブズの奥さんです。さてジョナサン・アイブですが、彼の喋り方は独特なものがありますね。しかも声がいい。話の内容も彼とスティーブの個人的な体験談に基づくものになっていて非常におもしろく聞くことが出来ます。ちょうどジョブズがスタンフォードの卒業式で喋った時のようです。そして最後のメッセージも非常にいい。感動しました。きっとこの感動、こころがぶるっと震える感覚がレゾナンスの正体なのだろうと思います。

ひょっとしたらジョナサン・アイブはスピーチの方法論、雰囲気作りまでジョブズを真似たのではないかと思います。スピーチも訓練によってどんどん上達するものですし、逆に訓練しなければせっかくの才能も「宝の持ち腐れ」でしょう。身近に手本になる達人がいるのは代えがたい価値があると思います。

一方で、セミナーに参加した方の一人がこんなことを言いました。「スピーチはその人の成熟さを示すもの」私もそう思いました。ジョナサン・アイブにしてもスティーブ・ジョブズのもとで徹底的に仕事をしたからこそ出来るスピーチだと思いました。そのように考えると、結局は人間としての総合力がスピーチに凝縮されるのかもしれませんね。

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