議論ではかなり厳しい意見にさらされることも少なくありません。

配信日:2013年11月25日

この週末は出版社の会議にオブザーバーとして出席していました。
出版社の編集長が2年ほど前から行っているユニークな会合です。書籍を出版したいと考える人たちが企画を持ち寄り、それを発表する。それに対して、編集長や私のようなオブザーバーが意見を述べます。おもしろい企画は、そのまま出版につながります。

毎回、20名ほどの出版希望者が参加する、一種の「著者発掘プロジェクト」です。私も出版を希望されるクライアントの方々をこの会議に送り込んでいます。現在も総勢9人の方が参加していて、そして出版が決まった人も3人います。

今回の出版会議では、私のチームからは2人が初参加でした。はじめて企画を人に見せるというステージです。ひとり5分でプレゼンをやり、その後、10分を議論にあてます。

議論ではかなり厳しい意見にさらされることも少なくありません。「そもそもターゲットがわからない」「コンセプトが面白くない」など、率直な意見が交わされます。出版社としては1冊の本を出すのに200万から300万円ほどの投資をしなければならないし、その本が返本されるようだと、そこで取次(書籍卸)に返金をしなければなりません。なので、いい加減な企画を通すわけにはいかず、ダメなものはダメ、良いものは良いと、白黒はっきりさせた議論がベースになります。

この2人の方も大変緊張していました。当然です。一人の方は「緊張しすぎて自分が何をしゃべっているか、わかりませんでした」と言っていました。そして、企画については「再度、考え直し」。「ターゲット像が良く見えない」「本当にそういう読者が存在するのか」「いままでこのような本が出ていないのはニーズがないからではないか」・・・。諸々の意見が多方面から発せられました。

会議が終わってから、二人に言いました。「次回、またチャレンジしますか?」二人の答えはYESでした。

私がメンターから教わったことがあります。「成功者は常に行動する。実は挑戦するたびに失敗することのほうが圧倒的に多い。しかしやがて成功する。それは失敗することも成功するためのプロセスだと知っているから。出来るだけ早い段階で失敗をしてしまえば、それだけ成功に早くたどり着けるのだ」

なにも今回の本の企画に限りません。「早く試してしまって、早く結論をもらうことが、早く次にうまくやるコツ」なのです。本に限らず、何か企画を考えている人の中には、なかなか自分の考えを表に出さない人がいます。試す行動力の問題や、否定されることの恐怖心もあるでしょう。しかしこれこそが、企画がなかなか通らない最大の原因だと思います。

良い考えが浮かんだら、すぐに表明してみる。そこで否定されるかもしれないけど、それも想定内のこと。そこでの意見をありがたく受け取りながら、企画をさらに進化させ、最終的には素晴らしいアウトプットを得るのが、物事を実現していくプロセスなのです。要はトライ&エラーのスピードこそ大事なのです。

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