同時に彼との仕事では外部のリソースを以下に使うかを学びました。

配信日:2014年5月21日

人をうまく活用するにはどうしたら良いか。経営者やマーケターにとっては永遠の課題かもしれませんね。昔から議論されてきたことでもあります。ましてや、社員ですら正社員と派遣社員がいたり、外部の専門家と仕事をする機会が多い環境では、なおさら大事だと思います。

昔、お酒の会社でマーケティングをやっていた頃、プロモーションの一環として料理の本を作ったことがあります。パトリス・ジュリアンさん。ライフスタイルのクリエイティブ・プロデューサーで料理研究家でもあります。本のコンセプトが「男性向けの料理本。カノジョに作ってあげるフレンチ」だったので、男性、フランス人で料理研究家でもあるパトリスさんに依頼することになりました。

いまでは彼は日本を離れてしまいましたが、クリエイターとの仕事がこんなに面白いと思ったことはないほど、印象深い仕事でした。私たちのブランド(ワインやスピリッツ)にぴったりの料理を彼は考えてくれました。そのすべてが経済的で簡単に作れて、しかもオシャレで美味しいのです。本の訂装や表紙デザインにもこだわって、これまでにないオシャレな本になりました。(アマゾンのページをリンクします

同時に彼との仕事では「外部のリソースをいかに使うか」を学びました。一言でいうと「リスペクト」となります。外部の専門家、専門知識を使わせてもらうのだという気持ちで仕事をすることです。そうすると気持ちよく最大の力を発揮してもらえます。

私の経験では、広告代理店との仕事では、よくこの感覚がなくなることがありました。「クライアントと代理店」という関係性は、どこかで“身内”でありながら、ドライに言うと“発注者と業者”または“知恵やアイデアを受ける権利を持つ者とそれを提供する者”でした。「権利を持つ」はひどい表現かと思いますが、そんなに遠くない感覚です。そのような感覚ですと、どんな良いアイデアを出してもらっても、どこかに不十分さが残るものです。結果、代理店の力を十分に活用できていなかったように思います。きっと私だけではないでしょう。代理店と付き合う世の中の事業会社の多くは思い当たることも多いでしょう。

もし、「外部の力を使わせてもらう態度」で仕事をしてきたら、毎日が楽しい創造的な仕事だったかもしれません。私たちももっと素直にアイデアの価値を認められたでしょうし、彼らも、もっと力を発揮できたように思います。

外部の専門家に限らず、社内でも同じように思います。社員個人(厳密には外部の人間)をリスペクトして仕事をやってもらえたら、彼らはもっと力を発揮するでしょう。人間とはそういうものではないでしょうか。

ある意味、社員を立派な社会人、またはプロとみなして“大人の付き合い”をすることでもあります。ごく当たり前のことですが、意外と古いタイプの会社では出来ていないことかもしれません。また大人づきあいの関係性のほうが、育てようとしなくても“社員が育つ”という皮肉もあるようです。社員側で、期待に応えようという動機づけになるのでしょうね。自発的に工夫して提案することが増えるようです。それによってさらにリスペクトされるようにもなる。するとさらに力を発揮してくれる。このような好循環が人材をうまく活用する秘訣です。

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