オシャレ下手は何が似合うのかを知らないまま、かっこいいと思ったものを身につける。

配信日:2014年5月28日

ブランディングの面白いところの一つは、それに取り組もうと取り組まずにいようと、人は何らかのブランド・イメージをその製品なり会社なりに感じるところでしょう。例えば「何の変哲もない会社」というイメージも、お客さんがその会社に接するうちに蓄積された「意図しないブランディングの結果」と言えるかもしれません。

また「素晴らしい会社」というイメージすら、時には意図せずに生み出されたイメージであることもあります。要は人間とは常に解釈(時にはレッテル)を加えながら、そのブランドと自分の関係性を理解する生き物なのですね。

そのように考えると「ブランディングの重要性」というものをあらためて実感します。どうせ何らかのイメージを持たれてしまうのであれば、「ブランディングに取り組むか否か」という議論は不毛で「いかに取り組むか」を考えることこそ現実的、戦略的というものです。

ブランド・イメージを考える時に、よく喩えに使うのは洋服です。ちゃんとした服を着ていれば「ちゃんとした人」というイメージを持たれるし、だらしない恰好をしていれば「だらしない人」というイメージが付きます。だから人は無意識のうちに「どんな自分と思われたいか」を想定しながら洋服を選ぶわけです。

ここでコーディネイトが上手な人は「自分に似合う服」をよく知っている。つまり「自分とは何か」を知ったうえで「らしい」コーディネイトをします。一方、オシャレ下手は何が似合うのかを知らないまま、かっこいいと思ったものを身につける。まさしくチグハグな状態でして、これを「一貫性の欠落」「コンセプトが曖昧な状態」と言っても良いでしょう。

企業のブランディングで言うならば、ちょっとかっこいいからという程度の理由でロゴを触ったり製品ラインを拡大したりといったことに通じるように思います。要は場当たり的な対処療法を繰り返した結果のブランドが出来上がることになるわけです。

これはもったいないですよね。私たちが考えるブランディングとはもっと意図的、戦略的に計画・実行されることです。そのなかで最高の顧客体験を積んでもらった時に、本当のブランディングが進行していくと思われます。

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