オープンイノベーションのサミットに参加してきました。

配信日:2017年09月19日

8月下旬より一週間、オープンイノベーション会社、アイカ社のグローバル・サミットがあり渡仏していました。今回のサミット、私は初の参加でしたが非常に学びの多い、有意義な時間でした。主な内容は「現在のオープンイノベーション、特にクラウドソーシングを活用したアイディエーションの現状について」などでした。今回はそれを簡単に報告いたします。

クリエイティブなアイデアを得るために外部の知恵を使うことは、もはや珍しいことではなくなっています。しかもここにきてP&Gのようなグローバル・カンパニーを中心に「イノベーション」「デジタル」「顧客体験におけるインサイト」はごく日常的なキーワードになっています。そこにあるのは旧態依然とした従来の広告業務や開発業務へのフラストレーション、同時にテクノロジーと戦略構築を統合することによって生まれる21世紀型のブランド・マネジメントにあります。

つまりこれらの企業は変化の必要性を明確に理解しており、自らそれに取り組むことで企業活動、またはブランドそのものを進化させようとしているわけです。特にテクノロジーの活用はアイカのみならず、様々なプラットフォームの活用を試みることを通じて学んでいるようです。そこには社内でイノベーションを議論し取り組むことの効率の悪さもあるでしょう。今回、私が出席したアイカ社もそうですが、外部プラットフォームを活用するメリットは「Better」「Faster」「Cheaper」の3つの言葉に尽きるようです。

このような流れは今後、ローカル・カンパニーにも広がりそうです(事実、私の関連する日本企業ではすでに取り組みが始まっている)。そのような会社では、まず「試用(パイロット・ユース)」の段階があり、実際のアウトソーシングの効率性や効果性を実感したあと、予算を正式に組んで拡張使用をし、やがて習慣的に使用を繰り返す(好意的使用)傾向があるようです。

オープンイノベーションにクラウドソーシングを活用する企業にもいくつかのクラスターがあります。それらはアイカ社では「Worrier」「Adventure」「Risk-taker」「Safe」「Demanding」「Confused」「Nervous & Universe」などの呼び名で呼ばれています。それぞれの詳しい説明は省きますが、彼らに一貫して共通しているのは「クリエイティブ・アイデアを見るのは好きだが、時間はかけたくない」「将来の市場やカテゴリーをパースペクト(見通す)したい」「マーケティングにおける純粋な知的好奇心と探求心を満たしたい」というものです。これが先ほどのBetter、Faster、Cheaperの3つの特徴とうまく合致してクラウドソーシングのプラットフォームを活用する結果となるわけです。

以上が簡単な報告になります。アイカ社は現在、日本でも徐々に知られつつあり進歩的な考えを必要とする企業によって利用されています。私もこれからのブランディングはイノベーションなしでは語ることができないと考えていて、かつイノベーションそのものがテクノロジーによって成し得る環境にあることから、このようなプラットフォームを活用することを勧めています。

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