対話のチカラ

配信日:2018年10月17日

コンサルタントという職業は、初めて会うお客さんと対話しながら課題を具体化・明確化することが多いものです。お客さんはいまの課題をしっかり理解されていますし、それについて相談を受けるのですが、対話しているうちにさらにまとまり、考えが一歩も二歩も前進するのです。つまり抽象度の高い問題をより具体的なものへ咀嚼できたり、あるいはそれまでの課題の解決策は見えてしまって、次の手、解決策レベルの話に移るわけです。ここに対話の威力をみます。対話は問題解決の技術そのものです。特にプロの対話はそれを目的にします。

まず対話をはじめる雰囲気づくりが大切です。これが成功させる要素の半分くらいを占めるのではないでしょうか。相談者は基本的に緊張しているものです。痛い指摘をされるのではないかなど、時にはアドバイスを恐れていることもあります。だから「怖くない雰囲気」が大事です。笑顔はもちろん、ひとたび対話が始まったら「否定しない」「厳しいことはやんわり」「できるだけ褒める」「発言を尊重する」など言葉選びや言葉遣い、それにジョークや笑いの要素も重要です。

これは日常のミーティングでも同じです。上司は対話しやすい雰囲気で、部下の様々な意見を引き出し、またプロジェクトリーダーは立場や専門性の異なるひとたちをリラックスさせ意見をまとめていくのです。

対話を仕事に活かしている会社はどれくらいあるでしょうか?私の肌感覚では過去よりは増えているが、まだまだ浸透はしていないレベルかと思います。よく営業マン研修でロールプレイングを使い、商談スキルの向上を図ります。あれと同じで、いまはスタッフや管理職に対話の技術を教えることも必要でしょう。

その時のポイントになるのは、やはり最初の「雰囲気づくり」です。相手がどんな人物かわからない、難しい人かもしれないなど、初めて会ったもの同士の対話なら尚更です。例えば自己紹介は「話しやすい雰囲気づくり」の最初にして最大のチャンスです。こちらも緊張しているが、相手はおそらくもっと緊張している。そんな前提で「私は何々を仕事にしているこういう専門家です」という自己紹介はほどほどに、「今朝、こんな面白いことがあって笑ってしまいました」という小噺をするほうが雰囲気づくりとしては優れています。こわくない、緊張しない、楽しい雰囲気を作ることです。このような雰囲気のことを「善なる環境」と私は呼んでいます。このような環境設定ができると、対話はおのずと盛り上がり、結果、多くの成果を手にすることが出来ます。

私が思うに、対話は「センスでなくスキル」だということです。つまり生まれつき持っていなくても、意識して身に着けることが可能なのです。まずは自分が他人からどう見られているか、特に何も話さない状態で他人の目にどう映るかを知ることが必要です。これを「メタ認知」といいます。他人の目に映る自分と、自分の考える自分がピタッと同じになった時、コミュニケーションは滞りなく和やかに進みます。「あ、この人は私が抱いた印象どおりのひとだ」となるわけです。要するにお互いにリラックスするのです。そのように自己を知り、自分にあった成功する対話の入り口・入り方を記憶して、実戦で動画を再生するように活用すれば、対話は大成功です。

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