行動を促進するもの

配信日:2012年6月20日

「行動を変えるには信念を変えなければならない」
このように書くとなにかとても困難なことを言われているように感じるものですが、信念とは、要は思い込みのことです。そしてブランド・マーケティングの極意はこの一文にあると言っても良いかと思います。

ブランド・マーケティングでは「顧客のこころ」こそが主なフィールドです。顧客が自分の製品やサービス、または自社というブランドについて、どのような信念(思い込み)を持っているかを理解することが最初の課題。もし「好ましい思い込み」であれば製品は売れていきます。

その時、顧客は「このブランドはイメージが良い」というような言い方をしますね。これは言い方を変えると「イメージが良いと思い込んでいる」ことで、ブランディングが成功している状態と言ってもよいでしょう。一方、「好ましくない思い込み」であれば、それを好ましいものに変えていく施策が必要です。これをブランド再構築、リブランディングと言っても良いでしょう。

つまり「購買」という行動を促進するものは顧客の「思い込み(信念)」しだいということになります。

同じことは「自分自身」にも言えそうです。「私はこれについてこう思っている」という思い込みが変わると行動が変わります。人間は自分の信念に忠実にしか生きられないのです。

よって何かに変身したいと思ったら、自分の信念を変えれば良いのです。これは子供の勉強や、パーソナル・ブランディングのセッションでも同じことです。勉強しない子供に「勉強しなさい」と言ってもあまり効かない(聞かない)のです。その代わりに「勉強ってなかなか楽しい」と思わせるような経験をさせると、進んで勉強するようになります。例えば、親と一緒に60分だけ毎日勉強するとか、それもゲーム感覚を取り入れて勉強するとか、やった後にすごく褒められるとか・・・そのようなやり方をすると子供の「勉強は面白くない」という信念が「面白い」に変わります。後は点数が伸びますから、勉強はもっと楽しくなり信念は「確信」に昇格します。

能力アップの限界があるとしたら、その原因は「自分は正しいことをやっている」という信念にあるかもしれません。きっと本当はまずいことが多いのに、信念がそうなっているのでまずさに気づかない。結果、能力アップが止まってしまうのでしょう。子供の勉強を見ていてもそう思います。

一流のアスリートがコーチを雇うのも、そのへんに理由がありそうです。「タイガー・ウッズが自分よりゴルフの下手な人間をコーチに雇うなんて」と思ったことはありませんか?この理由ははっきりしていて、「自分の正しさに潜むまずさ」に自分自身では気づくことが出来ないからです。

仮にタイガー・ウッズが自分のスイングをビデオで録って眺めても、自分のまずさには気付けないのではなでしょうか?なぜなら自分の正しいと思っていることを前提に眺めるはずだからです。

これが、アスリートがコーチを雇う理由ですね。別の視点から見てもらうことで自分の思い込みを排除することが目的です。そして思い込みを排除し新しい信念をインストールした状態を「パラダイム・シフト」と言うのでしょう。「自分はいままでこう思い込んでいたが、実はそうではなかった」と目からうろこが落ちる状態です。

このパラダイム・シフトが自分自身を更に高みに押し上げます。一流のアスリートになる人とそうではない人の差はパラダイム・シフトできるかどうかの差かもしれません。要は素直にコーチの話を信じるかどうか、そこで謙虚になれるかどうかの差かと思います。

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