足元の価値に気づくには?

配信日:2012年8月23日

いつも髪を切ってくれる美容師さんが退職し、新しい美容師さんに切ってもらうことになりました。こんな時、たいていは「どんな仕事をしていますか」とか「お住まいは」とか「出身はどちらですか」など話をすることになります。

その美容師さんは青森の出身でした。以前からねぶた祭に興味を持っていた私は聞きました。「ねぶたって凄いんでしょ?毎年行くんですか?」すると「いえ、実は一度も行ったことがないんですよ」と。

なんともったいない。日本全国からそれを目的に青森を目指す人は一日で53万人。それほど価値のあるイベントなのに行ったことがないとは・・・。しかしこう言われました。「いつでも行けると思うとなかなか行けないんですよね」

確かに。私も同じ理由でまだスカイツリーに登っていません。地元にいるほどそういうものなのでしょう。まさしく足元にあるがゆえに気づきにくい価値だと思います。

昨日、ある商社の社長さん、営業本部長さんとミーティングをしました。北欧にある小国の会社で社長さんもその国の人です。扱っている商材もその国のもの。今後、どうやってそのようなマイナーなものを日本で売っていけばよいかというテーマでした。

彼らからすると「マイナーな商材」に見えるのですが、私の目にはまったく別のものに映りました。「そのマイナーさが良いのではないか」今の時代はローカルなものがグローバルに受け入れられる時代です。それが岡山のデニムが世界的名声を得たり、パルミジャーノ・レッジャーノが日本で普通に売れる理由でもあります。ローカル・ブランドは一種のエリア・ブランドであり、エリア・イメージはその土地にいない消費者に価値を与えます。

ねぶた祭も北欧の商材も、私たちは足元の価値になかなか気づけなのかもしれませんね。私たち自身についても同じ事が言えます。例えば定年退職をする人は、たぶんご自身が考える以上の価値があります。培って来た専門分野でのスキルや経験。それを使ってコンサルタントとして第二のビジネス人生を歩み始めることが出来ます。きっと「奥深い風格のあるコンサルタント」になれるでしょう。

足元の価値に気づくにはどうしたらよいか?

一番簡単なのは「人から教えてもらう」ことです。キャリアの棚卸を他人からしてもらうことが一番よい。自分自身でそれをやるのは見落とすものが多すぎるように思います。なぜなら足元の価値が見えない状態での棚卸なので、最終的に「私にはさしたる価値がない」という結論にすらなりかねません。

また棚卸をお願いするのは、少なくともポジティブ思考の人が良いでしょう。視点が認識をつくるわけで、良い所をたくさん見つけられる視点の持ち主であればあるほど、足元の価値に気づく確率は高くなります。

今は企業よりも個人が活躍する時代だと思います。つまり「キラリと光る個性」が本当の価値、大きな意味を持つと思われます。私たち一人ひとりが自分の「キラリ」を知れば、もっと自分に自信が持てるだろうし、将来も明るいものに思えるに違いありません。

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