5年生の子供ゆえに、時々、こちらがドキッとします。

配信日:2013年3月25日

先週末、いつものように娘と勉強会をしました。今回は、表参道を散歩しながら社会の勉強です。
ちょうど桜が満開だったこともあり、原宿から表参道は、ものすごい人でした。代々木公園での花見から流れてきた人も多かったと思います。(実は私もその1人)

さて、社会の勉強といっても実態は散歩です。
散歩しながら、娘に色々な質問をしつつ、考えさせるトレーニングです。

「この列はなんの列だと思う?」という質問の先には、それを「調べる」という行為がついてきます。調べたところ、エッグスン・シングス(パンケーキ)の行列だとわかる。そこで「何故、このパンケーキ屋は行列を作っているのか」「並んでまで食べたがるのか」を娘に尋ねました。

「おいしいから」と答えました。「食べたことあるの?」「ない」「じゃあなぜ、おいしいからと答えたの?」「だって行列があるから」「行列がなかったら人は並ぶのかな?」「多分、並ばない」「どうして?」「気にならないから」

「気にならないから」マーケターのこころをナイフでぶっ刺す言葉です。びっくりしたなぁ。5年生の子供ゆえに、時々、こちらがドキッとします。こういう会話をすると、こちらも気付きがありますが、子供にも「人間の行動心理を推測する」ということがわかるようになります。しかも総論的ではなく、目の前の事象を通じての推測が効くようになります。そして最終的には、社会とは人間の社会的行動を観察すること(社会学)だと実感してもらえます。

もっとも地理や歴史のようにおぼえる社会もあります。子供にとってはこちらのほうが大事かもしれません。しかしそれは学校で勉強すればいいこと。親が教える社会科とは、もっと実用的でなければならないと思います。

大人の勉強も近いものがあるかもしれません。私の研修を企画実施してくださるマーケティング研究協会さん。そこからの依頼で、5月29日にブランディングの講座を行うことになりました。ブランディング講座自体は別段、珍しくもありません。しかし、私が今回、依頼を受けたのはちょっと毛色の違うもの。「交流会」の形式をとる講座です。

講師が一方的に話すスタイルではなく、各社からのマーケターが集まって、テーマについて議論し考えを出しあいます。それを私がファシリテーションしつつ、会場全体での学びと教訓を「作り上げていくもの」、まさしく交流が生みだす価値を増幅するスタイルの講座です。そのようなスタイルをとるので、受講生の問題意識の高さと学びへの貪欲さが決め手です。

4月12日、20日に行う、イズ・アソシエイツさんから売りだされた、私のコンサルタント養成講座も同じです。こちらも「わかる」ではなく「できる」レベルでの学びを追求したものです。やはり受講者の意識の高さと貪欲さが、学びを促進するようになっています。同じ受講料を払うにしても、そもそも意識の高い人でなければ、学びなど得られるものではないのです。いかに良いコンテンツを準備するかと同じように、学ぶ側の意識の高さも非常に大事です。当然のことですが、これまでは素通りされてきたことかもしれません。

結局、これまでのセミナー、講座というのは、子供の勉強でいうと学校での「覚える社会」だったのかもしれません。しかしファシリテーションを使った交流会型や、「できるレベル」の研修は「考える社会」の授業に近いように思います。いまは、本来であれば時間をかけて社内で行なってきたOJTを、OFF-JTの形式に求める時代なのかもしれません。

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