ある人は「稼いでくること」が家族への愛の表現です。

配信日:2013年10月7日

先週の日曜日は子供の中学生活最後の学園祭でした。中学3年です。なんでもダンスをやるらしい。しかしその日、私は仕事を5つも溜め込んでいて、とても外出するような余裕はありませんでした。さて、どうしたものか?

「仕事で行けない」というのは簡単ですが、そのように言ったら子供は「僕のダンスに興味がない」と思うかもしれません。一方、「行く」と言うのも難 しい。しばらく考えました。そして「是非、行きたい」と言いました。その上で「仕事が立て込んでいて行けないかもしれない」と付け加えました。これが私に 出来る精一杯のリアクションでした。

興味がない、無関心だと思われるのが、一番良くない。

もし「仕事だから行けない」と言ったら、子供は愛されていないと思うと思ったのです。本当は仕事なのに、それでも「是非、行きたい」と言うのは、本来の誠意ではないかもしれないけど、そのほうが子供も私も救われる・・・。

相手に関心を持っていないわけではないけれど、関心を持っていてもそれが伝わりづらい時、「関心を持っているように伝える」ことも、時には大事ではないかと思います。ここが私自身の課題でもあります。「まだまだだなぁ」と苦々しく思います。

「愛」をどのように表現するかは人それぞれだと思います。ある人は「稼いでくること」が家族への愛の表現です。家族にいい生活をさせること。これを愛の定義だと考える人は、意外と多いのではないか?これは私にも経験があります。

2002年。私は外資系企業で経営陣の一人でした。まだ34歳でした。今思うと、若いうちから不相応な経験を随分させてもらいました。そして、当時 は「稼いでくること」が家族への愛だったと思います。家族にいい暮らしをさせること。普通の男がシンプルに願うことです。しかし家庭の状況は最悪でした。

何が問題だったかというと、「家族の放置」。それに尽きると、いまでは思えます。家族はお金以上にアテンションが欲しかったのだと思います。アテンションを得るために、家庭では様々な問題が起こっていたと思います。当時はそのような“カラクリ”に気付きませんでした。

マーケティングの極意も、実は近いところにあると思われます。「お客様に興味を持つこと」実はこれが意外と難しい。人間とは「自分に興味をもつ生き物」だからです。自分のことが一番知りたい。

会社にはいろいろな課題があります。しかし一番大きくて重大な課題は、市場で起きている課題です。たいていは「声なき声の抵抗、または反発」。顕著 に出るのはお客様相談室にくるクレームです。クレームをくれるお客様は「まだ私たちを見捨てていないお客様」です。家庭での騒動はクレームそのものだし、 まだ見込みがある証拠です。

他人のマターに興味を持てるか?どの程度、持てるか?

そのような市場での課題を解決することがマーケティングの仕事であり、その意味では私たち一人ひとりも、人生をマーケティングしているのです。

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