ブランド・イメージを変えるには・・・

配信日:2014年3月19日

先週末は「にいがた酒の陣」にいました。いまや2日間で10万人の来場者を誇る、日本最大の日本酒フェスティバルです。当日は新潟県内の蔵元90社が出展し、実に500種類の新潟清酒が飲み放題です。これで1日2500円。新幹線代を払ってでも参加する価値があります。全国はもとより海外からも来場者が来ます。

今年の酒の陣では「HAPPYファッションショー」というものを実施しました。“新潟のAKB”のようなモデルグループ“新潟ガールズ集団 リリマリ”に、90の蔵元それぞれの法被(はっぴ:HAPPYにかけてます)を着て貰い、長い脚にハイヒールを履き、一升瓶を持ち、ステージのランウェイを歩いてもらうのです。目的は蔵元のブランドをファッショナブルに展開しながら、お客さんに楽しんでもらうこと。こちらの動画をご覧ください。
にいがた酒の陣(公式) 【蔵元HAPPYファッションショー⑤】

このような試みは初めてでしたが、非常に好評でした。老若男女を問わず、ステージに釘付けです(笑)。おそらく、日本酒という昔からあるものの若返り、イメージ・アップに役立ったと思います。もちろん、これだけのことでイメージがガラリと変わるわけではありません。このようなブランディング活動を継続することで、イメージは変わっていくのです。

ブランド・イメージを変えていくコツは何か?
どうしても伝統的な商品や昔から変わらない価値を持つブランドは老化していく傾向があります。ブランディングの難しさでもあります。ブランドとしての一貫性を守ろうとすると、冒険的な施策に躊躇しがちになります。一方、同じことばかりやっているとお客さんから飽きられます。「一貫性と飽きられる」のジレンマのなかで、ブランドはマネジメントされています。このあたりの「さじ加減」をうまくやるのがリブランディング、“ブランドの若返り”のコツです。

バーバリーの若返りは興味深い事例かと思います。バーバリーは「英国紳士が着る昔からあるトレンチコート」という、確固たるイメージを確立していました。しかし、そこに頑ななまでにフォーカスすることで、ブランドは「おじさんブランド」になっていきました。時代から取り残されていく感がありました。

そのようななかで新たなCEOアンジェラ・アーレンツ氏が着任します。彼女の課題はブランドの若返りでした。それまでの高級ブランドとしてのイメージを維持しながら、時代にマッチした先端感や若々しさ、しなやかさを手に入れるにはどうしたら良いか?

多くの定番ブランドが直面している問題です。結果から言うとバーバリーはその後、「ブルーレーベル」「ブラックレーベル」など若者向けのサブブランドを立ち上げ、日本では安室奈美恵さんがトレンチコートを着て広告に出るなど、コミュニケーションもそのように変えていきました。結果は大成功。アメリカを除くすべての市場で二桁台の成長を遂げました。そして、現在もウェブ・マーケティングを中心にあらたな取組を進化させています。

イメージを変えたいと思ったら、このような冒険も必要かと思われます。もちろん、すべてがそれで上手くいくわけではないでしょう。バーバリーがこだわった「変えないもの」は「英国的であること」「上質なコートであること」。ここにバーバリー独自の絶対的な強みがあるからです。しかしそれ以外(強みでないもの)は思い切って変えてみる。あたらしい発想やアイデアを試してみる。そのようなことがブランドを若返らせるきっかけになるのでしょう。

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