日本企業の弱点はブランディング

配信日:2014年4月16日

ブランド格付け会社、インターブランド社のグローバル・ブランドランキングというのがあります。2013年のトップ10は次のようになっています。

1. アップル
2. グーグル
3. コカ・コーラ
4. IBM
5. マイクロソフト
6. GE
7. マクドナルド
8. サムスン
9. インテル
10. トヨタ

色々な見方が出来ると思いますが、私が見ていて思うのは「日本企業はブランディングが弱点だ」ということです。トヨタのような日本を代表する会社ですら、サムスンの下にランクインしている。私としては歯がゆい思いがします。

インターブランドのブランド調査ではいくつかの項目についてそのブランドにスコアを付け、それをもってしてランキングを試みています。この指標が適当かどうかの議論はあるにせよ、同じモノサシで評価したうえでの結果だということを真摯に受け止める必要があるかもしれません。

日本企業のブランディングとは「結果としてのブランディング」であると、私には見えます。「いいものを作ればブランドは後からついてくる」と考えていて、ブランディングを意図的、戦略的に行っているわけではない。それがグローバル・レベルでのブランド・ランキングにも影響を及ぼしているように思います。

そもそもグローバル・ブランドとはなんだろうか?一言でいうと「世界的な市場シェアが高いブランド」です。当然、世界的な知名度も高い。世界的な市場とは、つまるところ各国市場でのシェアを積み上げたものです。

しかしシェア以外にも「ブランド価値」という指標も当然、含まれます。信頼度や世の中の評判、M&Aをした時の時価総額も含めて「ブランド・イメージ」がその正体です。厳密にいうと「圧倒的なイメージ総量を伴う好ましいブランド・イメージ」と思われます。

そのようなものを世界レベルで蓄積・構築するのがグローバル・ブランディングですが、これに戦略的に取り組めている日本企業がどれほどあるだろうか?特にモノづくり志向・品質志向で、マーケティングといえば国内であろうと海外であろうと「営業」を中心に考える日本企業では難しいのが現実です。いまや本格的にグローバル時代を迎えています。しかし日本企業のグローバル化は、まだまだ品質戦略レベルに留まっていて、企業価値を高める戦略では依然、遅れています。むしろ、マーケティング・カンパニーとして知られた大手企業ほど、品質至上主義や生産効率主義の発想から離れることが難しいように思います。技術ノウハウが簡単に流出し、モノを安く作る国が次々と出現する時代です。今後、本当の意味でのブランディングを考えるところに来ていると思います。

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