クリエイティブ“ひらめき”という神話

配信日:2014年4月23日

先日、面白い記事を読みました。「クリエイティビティ」についてのものです。世の中の作家やクリエイターの意外な方法について書かれていました。

私たちは「クリエイティブはごく稀な才能をもった人によって生み出される」と考えがちです。確かに才能というか、向き不向きはあると思います。しかしその記事には「才能以上にあることが大事だ」とありました。

『フランツ・カフカは、20世紀でもっともクリエイティブかつ影響力のある作家と言われています。実はそのカフカ、労働時間のほとんどを、チェコの労働者傷害保険協会で弁護士として過ごしていました。いったいカフカは、毎日の仕事をこなしながら、どうやってあれだけクリエイティブな作品を生み出していたのでしょうか。その秘訣は、スケジュールを厳守することにあったようです。

カフカの勤務時間は8時30分から14時30分。それから昼食を食べ、19時半までの長い昼寝をします。昼寝から目覚め、エクササイズの後、家族と一緒に夕食。23時から数時間の執筆をしたのち、ベッドに入るという毎日を繰り返していました。

カフカのようなスケジュール厳守は、決して珍しいことではありません。メイソン・カリー氏は、著書『Daily Rituals: How Artists Work』において、世界の偉大なるアーティストらが、自分のスケジュールを崩さなかったことを記しています。

マヤ・アンジェロウは、近所のホテルに部屋を取り、そこで執筆をします。朝6時30分にホテルに入り、14時まで執筆。それから帰宅して編集作業というスケジュールです。彼女はホテルで寝ることはありません。ピューリッツァー賞を受賞しているマイケル・シェイボンは、週に5日、22時から27時までが執筆タイム。村上春樹は4時に起きて5時間執筆したのち、ランニングをしています。

このように、トップレベルの創造者たちは、モチベーションやひらめきをあてにぜず、一貫したパターンとルーチンに従っています。クリエイティブな成功をもたらすものは毎日の習慣の確立であり、天才的なひらめきは神話に過ぎないのです』(ひらめきという神話。本当にクリエイティブなひとはひらめきを待ったりしない/msnニュース2014年4月12日)

創造的であろうとするマーケターにとって、非常に励まされる文章ではないでしょうか。「才能よりもスケジュールを確立すること」。さらにこの記事では「なぜ、スケジュールを確立することがクリエイティブにつながるのか」も書かれています。長くなるので私がまとめて言うと、「毎日、クリエイティブな作業に取り組むと、時には駄作の日もあるけれど、たまには良いものが作れる日もある。それを毎日、量をこなせば“たまに出来た良いもの”もおのずと増える」ということです。

確かに、その通りですね。良いクリエイティブとは偶然や才能が作り出すのではなく、「量をこなすこと」によって生まれるわけです。そしてそれに強制的に取り組む仕組みがスケジュールなのです。必ずルーティンのなかで決まったスケジュールをこなすこと。結局は「自分の作品作りにどこまで真摯でいられるか」という問題かもしれませんね。

年別バックナンバー

資料請求・ご相談はこちら ▶

bmwin

『ブランド戦略をゼロベースで見直す!』
ご相談、お問い合わせはこちらから▶