豊かさとは何か?

配信日:2015年01月01日

女性ミリオネアが教えるお金と人生の法則(トマス・J・スタンリー著/日本経済新聞社)』という本があります。大変勉強になる本でしたので、みなさんにご紹介します。この正月休みにでも読んで頂ければと思います。

この本ではアメリカの女性ミリオネア(億万長者)2500人を対象にしたアンケート結果をもとに、女性ミリオネアがどのような子供時代、生活環境や、親の教育、価値観のなかで生まれるのかを統計的に解き明かしています。また彼女たちの日頃の生活スタイルや購買にかかわる価値観も明らかにされていて、非常に面白いのです。ちなみに「ミリオネア」の定義は純資産が100万ドル以上、年収は10万ドル以上ある者です。

本を売る広告文として、本書表紙に書いてある女性ミリオネアの特徴を挙げると以下のようなものです。①49歳、子供3人、②離婚歴あり、③最初の結婚相手はダメ男、④高級住宅地には住まない、⑤主婦でも金持ちになれる、⑥朝6時まえに起きる、⑦ロレックスよりセイコー、⑧服は4万円以下、⑨日本車が好き・・・など。

著者のトマス・スタンリーはマーケティングの専門家で、ミリオネア研究の権威です。過去の著作でも億万長者の特徴を挙げていますが、私の感想では「自分にはケチと言えるほど質素」、一方で「他人や家族には大いに施す」というのがミリオネアの特徴です。ここに彼等の「豊かさ」を感じます。

豊かさとは何か?
それは「他人に施せること」ではないでしょうか。一般人とミリオネアの大きな違いは「支払う」という行為にまったく別の価値観があることです。一般人は他人への支払いを「痛み」と感じ、ミリオネアは「心地よい」と感じる。ミリオネアはお金があるから痛くないのだ、というわけではないのです。お金とは使い方が大事だと考えていて、他人や家族が喜ぶような使い方は大きな満足感を得られるわけです。一方、自分への贅沢や「見せびらかし消費」は無駄であり、むしろ不満足を生むのです。

おそらくお金に限りません。彼らがミリオネアであるのは、あり方や価値観そのものが豊かだからです。「豊かである」とは誰でもなれることだと思います。それは誰かに施す行為であり、施せること自体が豊かである証拠なのです。その事実に気づいたときに、もっと大きな豊かさと満足感を得られるのでしょう。

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