うさぎとかめはそれぞれ何を見ていたか?

配信日:2015年6月10日

週末に娘とマーケティングの話をしました。中学受験も無事終わり、そのような他愛もない話もできるようになりました。特に彼女は将来、自分の店を出して一発当てたいと思っていて、自分の父親がその道の仕事をしているのも良く知っているので、ぐいぐい食いついてきました。(笑)

娘に聞きました。「お店を出して成功するには何が必要だと思う?」即座に「アイデア」という答えが返ってきました。さすがは「一発当てたい」と考えているだけのことはあります。いかにもそういう答えです。

「当たり。では、アイデアの他には?」と聞くと、「他のお店ではできない髪型」と言いました。「私のところでしか出来ないカットをする」と。そう、娘はヘアサロンの経営者で成功したがっています。「アイデアの次に大事なのはね、」私は続けました。「お客さんの欲しいものを知ることだよ」。当たり前のような話ですが、娘のように一発当てたいと考えている人が忘れがちなことでもあります。

『お客さんは髪の毛を切りたくて美容室に来るけど、本当は“なんのために髪の毛を切りたいのか”が大事なのだ。例えば「かっこよくなりたいから」「みっともない髪を整えて恥ずかしくないふうにしたいから」「夏に相応しい涼しさをまといたいから」「失恋の暗い気持ちを変えたいから」「自分を若々しくみせたいから」。だから髪の毛を切りたいと思うのだ。いくらでもある。それこそお客さんの数だけある。それを満たしてあげることが大事で、そのためには最初に目の前のお客さんの要望を知らなければならない。

ウサギとカメの話は知っているよね。ウサギは何を見て競争をしていたと思う?ウサギは“カメを見て競争していた”。だからカメがまだずっと後ろにいたので安心して寝てしまった。商売でいえば、奇抜なアイデアで競合店よりも凄いことをやって安心しているようなものだ。

ではカメは何を見ていたか?カメはゴールを見ていた。ウサギがどうしようと、何をしていようと関係なしに、ただひたすらゴールに向かって歩き続けていた。だから勝てたんだよ。商売で言えば、ゴールは「お客さんの欲しいものを満たすこと」なのだ。それを忘れないでアイデアをひねり出すんだよ』

まあ、どれほどわかってくれたかは分かりません。ただ、大人になって本当に店を出す時に、そんな話を「昔、オヤジがしていたなぁ」と思い出してくれれば良いかと思っています。

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