ブランド作りの本当のプロセスとは?

配信日:2016年07月27日

「ブランドを作るにはどうしたらよいか」よく尋ねられる質問のひとつがこれです。企業の製品ブランドでもそうですし、個人で事業をしている方からも問われるものです。ブランド論では、例えばポジショニングの重要性や、コミュニケーションの継続性などが挙げられますが、現場の感覚でいうと、要は「実績を作ること」がブランドを作る方法です。

「ブランドが出来れば実績がついてくる」のは紛れもない事実。同時に「実績を上げれば、どのようなコンセプトであろうと、ブランドとして認められる」のも事実です。逆に実績がないと、どのようなコンセプトだろうと何だろうと関係ありません。ですから上記の質問には「実績を作ることですね」と答えます。

「ブランドとは世の中の評判であり、実績から生まれるもの」という定義はかなり当たっていると思います。私が気に入っている定義のひとつです。

立派なブランドと認知されている会社の多くはブランドよりも先に売上実績があった。それが事実だと思います。私のところに相談に来てくださるクライアントさんもそうです。すでに実績のある立派なブランドであるけれど、今後、より戦略性を持ってブランディングをしていく(つまり売上をもっと伸ばす)ための話を求めています。

言うまでもなく、ブランド・マネージャーの仕事とは「売上を上げること」です。特に「安定的に売上を伸ばしていく」ために彼等は任命され仕事に当たるのです。売上を通じてしかブランドは成長しないし、ブランドの成長は売上という結果で推し量るのが一番なのです。

私自身のキャリアを振り返っても、新ブランドの立ち上げをやる時は「とにかく売上を上げる」「少なくとも年間30億円くらいのブランドを3年以内に作る」ことを念頭に仕事をしていました。サラリーマン時代、インスタントコーヒーの仕事ではそれが出来たし、スピリッツのブランドでもそのような勢いのあるマーケティングが出来たと思っています。正直に申し上げると、ポジショニングもコンセプトも、オペレーションの勢いに比べたら、あまり売上とは関係なかったかもしれません。しかし、いったんそのような実績が出来てブランドとして認知されるようになると、ちゃんとポジショニングも再考しましたし、ブランド・ステートメントも整理しました。実際はそういう順序でした。

そのようにしてブランドの定義(自分とは何か)をあらためて明確にしていき、それに忠実に売上プランを達成していくことで、ブランドは世間に対して「らしさ」をまとい始めました。そして「らしさ」に忠実に売上を拡大し市場に定着してくことで、ブランドは「よりブランドとしての信頼感」を醸成していくことになりました。これがブランド作りの本当のプロセスかと思います。

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