売上予算を安定的に達成する方法

配信日:2016年09月21日

すべての会社にとって永遠の課題があるとすれば、それは「売上予算を安定的に達成すること」だと思います。どこの企業も年中、このことで打ち手を講じています。特に「安定的に」が難しい。たいていは月別の達成・未達成を繰り返しながら、年末に帳尻をあわせるのが普通になっています。分かりきったことですが、経営陣にコミットした売上予算を確実にやり抜くことが仕事であり、企業活動の現実的な眼前の目標といえます。

売上について、たいていの会社では営業部がその責任を負っています。しかしその裏で「他部署は(例えばマーケティング企画部も含めて)売上には間接的にしか関心を持たない」という問題を生じることになります。結果、売上については営業しかわからない、営業が未達成だといえばそれに甘んじるしかない(売上リスクを回避できない)問題が起こっています。

営業部自体にも問題があります。売上を達成するのは「一握りのスター営業マン」に依っている現状があります(属人的要因)。よって彼らが何らかの理由で会社を辞めるとなると大変です。経営者もそのことを良く分かっているので、「次期スターを育成する営業人材育成」「営業マンの人数を増やすこと」が営業のリスクヘッジになっています。

またより簡単に売上を達成するには「より売りやすいものを売りやすいところに売る」のがよく、結果、営業マンの売るものも売り方もあまり進化のないものになる現実もあります。進化がないどころか、旧態依然といった事態も見られます。そのような状況では、仮に新ブランドを出すにしても「営業が売りにくいから」「手間がかかるから」という理由で敬遠されることも少なくありません。

そのような営業活動の先にあるものは「属人的で」「売りやすいものしか売れない」「いつも決まった顧客にしか売れない」というものです。そして刻々と市場環境が変わるうちに「売りやすいもの」が受け入れられなくなったり、昨今の流通環境の変化のように「いつもの顧客」自身が苦境に直面したりすると、自らも同じように沈んでいくという結果になります。

そのような苦渋を舐めてきた会社がたどり着くのが「ブランド・マネジメント組織」です。多くのマーケティング・カンパニーで取り入れている形態です。これの特徴は「売上予算を営業部と事業部(またはマーケティング部)の2か所でマトリクス的に持つ」ことです。つまり営業部は「すべての製品の支店別・エリア別予算(横割り予算)」に責任を持ち、事業部は「すべてのエリアのブランド別・製品別予算(縦割り予算)」に責任を持つのです。このシステムの優れている点は「仮に営業部での未達が予見されても事業部がそれを補うことができ売上達成のセーフティネットが張れる」ことです。つまり属人的で営業任せになりがちな売上達成を、組織的・全社的なものに変えていくことが出来ます。

目標達成に向けた具体的な動きも良くなります。各ブランドにはブランド・マネージャーがつくので、仮に自分のブランドの売上予算がこのエリアでやばいとなれば、そのままエリア担当の営業マネージャーと交渉して打ち手を用意することも出来ます。同じく営業マネージャーも自分の担当エリアでの課題をフィードバックしてブランド・マネージャーに支援を求めることもします。

ブランド・マネジメント組織は、売上を組織的に達成し、かつブランド育成と営業育成を同時に行っていけるマーケティング・カンパニーの知恵なのです。

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