上達のコツは打席数×打率
配信日:2016年12月14日
アクションプランの真髄は「行動すること」にあります。どんなに素晴らしい戦略も行動しなければ作らなかったも同じです。例えば営業はどうしているでしょう?私の見たところ、売れない営業の原因は「得意先に行っていない(行く回数が少ない)」からです。行動したかしていないかではなく、どれくらい行動したかの「量」が問題です。どんなに素晴らしい企画書を書き上げても、どんなに素晴らしい提案書を書いても、商談しなければ売上にはなりません。当たり前のことですが、そんなケースが散見されます。売れない営業マンの多くはオフィスでパソコンに向かって一生懸命、企画書を書いています。
営業に限らず「行動量」というのは大事な概念だと思います。マーケティングやブランド・マネジメントでも同じです。新製品導入をたくさんやればやるほどマーケターの腕は上達します。プロモーション・キャンペーンもやればやるほど良いものが出来るようになります。もちろん営業スキルも同様です。商談の回数をこなせばこなすほど営業のプロになれます。
よく営業スキルの向上を目的とした研修などを見かけます。このように商談したら良いのですと教えてくれるものです。これ自体を否定する意味はありませんが、本当に効果(結果)が欲しいならそのスキルを使って実際に商談回数を今の2倍、3倍こなすことです。
野球に喩えるとわかりやすいと思います。打席数と打率の掛け算によってヒット率は高まります。研修はいわゆる打率を上げるための方法論を教えるものですが、私の経験では満足に打席数(商談回数)もこなせていないのに打率を上げようとしても限界があるというものです。逆に打率は低くても人の何倍も打席数をこなせば、やがてそれ自体が訓練となり打率はおのずと改善されていきます。まさに「質は量より生まれる」のであって量をこなすことが質を高める確実な方法です。腕を上げるコツは一回でも多くバッターボックスに立つこと。一回でも多くバットを振ることなのです。
打席回数をこなすと同時に、営業でもマーケティングでもより効果的にスキルを上げる方法があります。それはOJT(オンザジョブ・トレーニング)です。簡単で昔ながらの方法ですがこれが一番です。営業マンは上司の得意先に同行して上司の商談スキルを見て盗む。その時上司は本当のプロ営業マンでなければならず、そのような意識が上司自身も成長させます。または時には上司が部下の得意先に同行して部下の商談を観察する。そして商談終了後に部下をカウンセリング指導します。どちらもスキルとして学ぶべき(見るべき)は「質問する」「提案する」「クロージングする」の3つです。このようなポイントを絞ったOJTが最も効果的にスキルを上げるやり方です。