いまの世界経済ってこうなっている

配信日:2019年5月15日

米中摩擦が酷いことになってきています。「お前がやるならオレも負けてないぞ」とばかり関税品目と税率をエスカレートさせる。一方で日本の景気は3月時点で6年ぶりに悪化。他の国のことはよくわからないけれど、この米中の喧嘩、誰も得する国はないのではないか。

この喧嘩の本質は「いま儲かるか、儲からないか」ではなく、将来の世界経済を制する者はどちらかを競う「覇権争い」だとよくわかります。知的財産権など将来を左右するイシューが大きく絡んでいるからです。一方で先日のニュースでは米国のアマゾンが所得税をたいして納めず、逆に還付金すら政府からもらっているという話も聞きました。しかしここにはワケがあって、AIなど将来のテクノロジーに税金を払えないほどの莫大な投資をしているからとのことでした。なるほど確かに、米国にとっても大事な課題です。それにそういう制度を活用するアマゾンに何ら非はありません。非はありませんが、何か釈然としない感情は残りました。そういう意味ではごく一部の企業は得するようになっているのかもしれません。

それにしても、中国と知財をめぐり喧嘩をする一方で、国内では新たな知財を得ていく。いまさらですが、うまく回っているなと思います。ごく一部の企業は得をするようになっている。そして、そうやって企業が納める税金や新たに生まれる雇用は、最終的には喧嘩を仕掛けた国を豊かにする。トランプ氏が見ているのはここでしょう。その昔、他国と戦争するために、まずは企業が国に武器を売る。そして国が他国の領土(市場)を取った後に、今度は企業がその市場に乗り込んでいって商売をするという、西洋列強的な発想の帝国主義の頃とあまり変わっていないように思います。

ルノーと日産の統合問題も本質は同じだと思います。ご存知のようにルノーの後ろには仏国がいます。そして日産・三菱を統合しフランス企業にすることで、フランスの自動車産業を世界の3大勢力の一角に組み込みたい。そうすると回りまわって国が儲かるようになる。大きくは同じ構造です。最近ではあまりニュースにもならなくなりましたが、ゴーン氏はその捨て駒だったとあらためて思います。

国も企業も「結局は強いものが勝つ」という価値観にちょっと疲れ気味になっています。もちろん豊かであることやお金儲けをすることに何の違和感もないのですが、ゼロサム・ゲーム的なもの、「取った、取られた」のゲームに少々疲れ気味です。

「強いものが勝つ」よりも「愛らしいものが勝つ」というルールがあったらいいなあと思います。例えば、勉強のできない子供は学校の成績は良くないけれど、親にとってはこの上なく愛らしい。一方で、勉強のできる子だって、親にとっては同じように愛らしい。要は「その子なりの優れたところやユニークなところ」を認めるようなものでしょうか。この場合、勝者は複数(存在するだけ)いるわけで、覇権争いとは真逆な価値観だと思います。

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