日本は転職社会になった

配信日:2019年8月7日

最近、僕の中で感じる社会の変化は「日本は転職社会になった」ということ。いまタクシーや電車に乗ると必ず目につく広告が「転職エージェント」のもの。日本の広告費は年間で6兆円ほどですが、このうちの1兆円は人材紹介のものだと言われています。

20から35歳までの男性(若年層)の離職率は58%です。しかも入職率もほぼ同じなので、要は転職している若年層は世の中の60%程度だと言えます。それほど遠くない昔(数年前)、日本はまだまだ終身雇用の雰囲気もありましたが、いまでは立派な転職社会と言えるのではないでしょうか。

ちなみに、いまの新卒の有効求人倍率は1.63倍です。細かく見ると、中小企業は9.91倍で大企業は0.37倍。大企業は3人に1人の狭き門で入社は難しいのですが、中小では1人に10社近くがラブコールを送っている。つまり職を選ばなければ誰でも就業できる環境にあります。

企業の採用担当者の悩みは「自分のところに就職してくれるだろうか」ということ。そして人事担当者やラインで部下を持つ管理職にしたら「辞めないでいてくれるだろうか」ということです。そんな一方で、「30代の管理職があっけなく転職してしまった」「せっかく戦力として鍛えてきた人材が他社に移ってしまった」などの声も聞こえてきます。

もっとも、人材が転職するのは仕方ない面もあります。単なる有効求人倍率が高いということ以上に、企業側の「人材観」によっては人材側も他企業に行って自らの人生を生きようと考えるのも当然。人材観とは人をコストとみるか、資産とみるか、または人を企業の目的達成のツールとみるか、個人の自己実現や夢を叶える過程で会社に貢献してくれる存在と見るかの違いでもあります。

企業はいろいろな施策をやってはいるでしょうが、どうも人材とのエンゲージメント作りがもう一つのように感じます。時短にしても、果たして人材はそのようなことを望んでいるのか疑問です。本当はもっと働きたいのではないか(特に僕のような世代は)。欲しくもないような施策は働きにくさを生み出し、エンゲージメントを損ない、結果、離職率に繋がる。

つまり今のような転職社会では、企業側に「人材戦略」が求められると思うのです。人材戦略とは「人材をいかに大事にするか」をテーマにした経営戦略です。人事戦略とも違います。人材戦略とは会社と個人の関係性にフォーカスしたテーマです。例えば、介護を必要とする家族を持つ人にはそのような働き方を認める。例えば、子育て世代の社員にはそのような働き方を認める。つまり人材のバックグラウンドと雇用形態の掛け算(属性・雇用ミックス)を考慮して対策を立てる。または個人のキャリアビジョンに合わせてOJTやOff-JTが準備されていて、将来のキャリアアップをバックアップしてくれる。更には健康経営にまで踏み込んだ施策になっているなど。このようなことがちゃんとケア出来ていると個人と会社のエンゲージメントを作り出せるわけです。これが離職率を下げていく戦略かと思います。

2020年以降、労働力人口は減少傾向にあると予測されているので、この転職社会は今後も拡大していくでしょう。改めて会社と個人のエンゲージメントが問われていくと思われます。

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