アイディアマンって何?

配信日:2019年12月4日

マーケティングに限らず「企画する」「提案する」というのは仕事につきもので、新入社員から執行役員まで毎日のように行っています。営業マンや企画マンなどマーケターなら尚更のこと。ここが仕事の生命線です。

一見、企画など関係ない部署で働いているビジネス・パーソンにも「企画する」「提案する」は存在します。「今の業務フローをもっと効率的にするにはどうしたらよいか」「もっと社内のひとたちが快適に仕事を出来るようになるにはどうしたらよいか」。要は自分の仕事に課題感や問題意識をもって取り組んでいれば、そこに企画&提案というワンセットが生れるのです。

さて量販店(スーパー)の店頭でも企画提案は存在します。季節提案や生活提案、もっと言うなら「52週提案」に力を入れています。52週提案とは1年を52週に分解し、「どの週にはどんなイベントがあるか」をベースに売場のテーマを決める施策です。量販店にとって生活提案は差別化の重要な戦術で、生活者を深く洞察することが競争力の源泉にもなっています。そして量販店がそれをやりたがるので、メーカーの営業マンもそれにシンクロするよう、52週のテーマに沿った売り場提案をします。

今の季節ならクリスマス、または「鍋物」でしょう。例えば「鍋物」について量販店の販促担当者やメーカーの営業マンはどれくらい考えているでしょうか。エバラの営業マンであれば鍋に関する知見・リテラシーは相当なものだと拝察します。しかし鍋と直接関係ないメーカーの営業マンだと、量販店のニーズとは別に動くかもしれません。

企画のベースは現状に対する問題意識なので、いまの鍋というものに対して、どの程度「こうしたらもっといいのに」を感じているかがまずは問われます。そのためには「いま店頭で提案されている鍋料理なり食材なりを自分で調理して食する」ことが大事。これ、どれくらいの企画マンが真摯に行っているかというと疑問です。出てきたPOSデータを分析して品揃えや販促を考える。同時に自分でも体験してみて「生活者としての実感・実体験」を得てみる。するとPOSの数字結果をよりリアルに読むことが可能になります。出来ることなら、鍋というものについて、自分なりの理論を構築できるとよい。ちょっと大げさですが、楽しんでやるとかなり人生が楽しくなります。笑

僕はコーヒー会社(AGF)にいた頃、好物の牡蠣鍋をもっと美味しくするためにマリームというインスタント・クリーミングパウダー(コーヒーにいれるやつ)を大さじ3~4杯ほど隠し味に使っていました。すると牡蠣の出汁(だし)、こんぶ、スープである味噌とにんにくがいい感じでまろやかになり、いっそう味わい深い鍋が完成します。これを植物性のマリームでなく、動物性のクリープでやるともっとすごい。たかが鍋なのに、実験であり驚きの連続です。

これをAGFの企画グループで仕事をしている時に、営業マンに提案しても、やってくれることはなかったなぁ。なんだか「若いやつが可笑しなことを言っている」とスルーされた覚えがあります。まあ、自分でもなんでスルーされたか理解できます。AGFは鍋とは関係ないし、そんなことよりも1ケースでも多くブレンディを売るほうが大事だからね。でもそんな仕事ばかりやっていて、面白いかな。

僕が思うに、企画提案というのは楽しい気分でやるものだと思います。そして自分なりの「くだらない理論」を作るつもりで、クリーミングパウダーをいれたり、日本酒の代わりに白ワインをいれたり、リンゴジュースでやってみたり(豚バラにあわせる)、食べる時はシャンパンにあわせたり、成功や失敗を繰り返していくと、食リテラシーや生活リテラシーが高まるようです。企画マン、アイディアマンって、みんなこんなことをやっているのではないでしょうか。

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