老害について

配信日:2021年2月17日

森さんの辞任。発言に加え、謝罪会見が火に油を注ぎました。叩かれぶりは酷かったです。「老人をあまりいじめるな」と思いつつも、その後の人事の決め方も問題があったようで川淵さんは辞退、橋本聖子さんも藪蛇(やぶへび)的に叩かれていています。「透明性」というけれど、オリンピック委員会の会長に誰が良いかは僕たちにはわかりません。選挙で政治家を選ぶわけではないから専門家に任せたほうが良いと思うし、密室かどうかも僕的にはあまり問題でない。

どんな決め方でもいいけれど、現状を見た時に何が課題で、解決の方向性はどうで、一連のアクションプランはこうだという戦略を立てられるリーダーが必要じゃないかな。特にコンティンジェンシー・プランが見たい。①コロナが3月くらいに収まったプラン、②収まらないがやるプラン、③いまから中止プラン。それぞれどんなシナリオがありそうか。そのなかでどんな働きかけを世間や関係者としていくか。リーダーの決め方よりも、こっちの透明性がほしいと思います。逆に、いままでのように、有名人とかイメージが良いとか、そういう実のないアイコン的なリーダーにはあまり興味がない。

それにしても森さんの女性蔑視の発言は叩かれてもしかたがない。世の中の価値観が変わったことに気付かなかったのでしょうね。いや、気づいてはいたけれど、つい昔のノリが出てしまったか。価値観、つまりコトの善悪を判断するモノサシが変わった。かつては当たり前のように考えられたことが今ではそうではなくなった。または当たり前でなかったことが、いまでは当たり前になった。最近、アマゾンで映画を3本見ました。1本目は「ボヘミアン・ラプソディ」。クイーンのフレディ・マーキュリーの自伝的映画。2本目は「ロケットマン」。同じくエルトン・ジョンの自伝的映画。更に3本目は「グリーンブック」。こちらはドン・シャーリーのディープ・サウスの講演旅行を描いた映画。これらはすべてミュージシャンの映画であると同時に、最近の重要な社会的テーマであるLGBTQや人種差別の要素を含んでいます。どれも2年以内の映画で、アカデミー賞など取ったりしてヒットしたものです。こういう映画がヒットするのも価値観の変化が下敷きにある。またはそれを敏感に察知して作品にすることでヒットさせる。だから映画やドラマは価値観の変化を知る良い機会かもしれないのです。楽しみながらそれを学べる教材でもあります。

「老害」についても、あらためて考えみました。権力を持つ者が昔の価値観のまま采配を振るう。これを老害というのでしょう。ここにあるのは、世代間の価値観ギャップです。新しい価値観を持つ側が古い価値観の側に対して揶揄する言葉でもあります。怖いなと思うのは、新しい価値観も知らぬ間に古いものとなり、いま老害と言っている側も、知らぬ間に「言われる側」になることです。ましてや権力者であれば尚更で、誰も面と向かって古いと言ってくれない。ここに裸の王様が完成してしまうのでしょう。以前、ラ・ベットラ・ダ・オチアイの落合務さんがこんなことを言っていました。「もし、お客さんが食べ残していたらそれを食べてみる。味がおかしければ反省する。しかしいつもと同じ味なのに食べ残しがあれば、自分の料理が時代の感覚に合わなくなっているのではないかと疑う」。これは老害を防ぐ上手いやり方だと思います。この時、新しい価値観にあわせようとする謙虚さも大事だと思います。要は「思考が柔軟かどうか」が老害と言われるかどうかの分岐点だと思います。

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