接待問題と恥

配信日:2021年3月24日

菅さんの息子さんのことに始まり、接待の問題が次々と出てきました。ビジネス社会では普通にある接待。接待費(接待交際費)を会計処理することも許されています。しかし公務員の世界では倫理規定で「受けてはならない」となっていると知りました。まあ、考えてみれば「そうだろうな」と思います。国家公務員倫理規定。「倫理」というのは、やや捉えどころのないものだと思います。ことの善悪のような個人の価値観に準じるものを、何らかのモノサシで社会の行動規範や「模範」とする概念。または個人の価値観に無言の影響を与えるものでしょうか。コロナが始まった頃にあった自粛警察も、そうした行動規範をベースに飲食店を個人攻撃していたと思います。

ルース・ベネディクトの「菊と刀」によると、西洋人の倫理観が「罪の文化」に立脚するのに対して、日本人は「恥の文化」に立脚するとあります。『日本人は言う。「世間の目があるから、自重に努める(努めなければならない)。」「世間というものがなければ、自重する必要はないのだが。」これらの言葉には、自重を促す外部の強制力が極端な形で示されている。(中略)恥は周囲の人々の批判に対する反応である』(菊と刀/ベネディクト著・角田安正訳、光文社古典新訳文庫)。罪の文化とはキリスト教的教義での神との関係において決められる一神教独特のものだと思いますが、いろんな神様を認める日本ではあまり宗教的な教義が強くなかったかもしれません。その代わりに、世間がどう思うかの視点が倫理観を作った。お天道様に恥ずかしくないかという言葉を小さい頃によく聞いたと思います。

接待問題で叩かれ辞任した人たちも、相当、恥ずかしかったでしょうね。しかも赤裸々に「奢ってもらった」「ひとり数万円の会食だった」という、取るに足らないことでキャリアを棒に振った。一方、それを責め立てる野党もどうしたものか。政治がらみの話はしづらいけれど、桜が終わったら接待という、僕からしたら「どうでもいい問題」を延々といつまでやっているのか。野党にしたら「恥の文化」を利用し誰かを辞めさせる作戦なのだろうけれど、自民党にしたら、これこそが一党独裁を維持する戦略だと思います。野党が些末なことの質問を繰り返すほど、「もっと重大な問題を議論しろ」「もっとまともな質問をしろ」と、僕らは愛想を尽かす。よって支持率というマインド・シェアを考えるなら、自民党(答える側)は「質問に出来るだけ具体的に答えない」という戦略をとる。すると質問者は過熱してもっと重箱の隅をつつき、支持率を落とす。自民党の思うつぼなのです。でもこんなことをしていて日本は大丈夫か。接待を問題視する以上に「それを問題にしていることが問題」ではないか。

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