地方再生の好ましいアプローチ

配信日:2021年6月30日

いま東京以外の地域での起業熱が高まっているようですね。国税庁が全企業に割り振る法人番号の新規付与件数を集計したところ、21年1~3月に東京都内は前年同期比3%減った一方、他の9地域(北海道、北関東、首都圏3県、北陸、中部、大阪府、近畿、九州、沖縄県)では5~15%程度増えたようです(日経新聞6月27日)。リモートワークやシェア・オフィス、クラウドサービスが普及したことで「どこからでも仕事が出来る環境」が整ったことと、もう一つは「長期金利の急低下」「空前のカネ余り現象」も起業家の背中を押している。

昨年、「鬼滅の刃」が大ヒットしました。このような作品の舞台となった地域、「アニメの聖地」を訪れるムーブメントもあります。「鬼滅」は福島県会津若松、「君の名は。」は岐阜県飛騨市、「ジョジョの奇妙な冒険」は宮城県仙台市など。この「アニメの聖地巡礼」は全国で5000カ所を超え、その経済効果は、例えば岐阜県飛騨市は253億円にも上るといいます。これらの作品はもともと海外市場を意識しているため、日本的な街並みを活かしたものが多いのですが、それが結果として国内の若い人を呼び込む効果に繋がっているようです。あらためてアニメというのは外国人にも日本人にも「テッパンコンテンツ」だと思います。そのようにして人の流れが生れると街も息を吹き返す。経済効果もあれば「その土地に暮らそう」と考えるひとも出てきます。地方再生の好ましいアプローチではないでしょうか。

地方の活性化というと、古くは湯布院の事例が思い出されます。中谷健太郎さん、溝口薫平さん、志手康二さんの3人が立役者です。もともと大分県は別府温泉が有名。湯布院は当時、まだ無名でしたがこの3人が「それまでの温泉・観光ビジネスとは違うやり方」で再建を図りました。対峙戦略。別府が団体客や社員旅行など宴会客を狙って割引や広告を出す中、湯布院はプライベートの若い女性客を狙って「昔ながらの湯布院らしさ」をコンセプトに打ち出した。そして広告も女性誌を中心に「リゾート」を訴求するものでした。興味深いのは3人が別の業界出身だったことです。温泉ビジネスや湯布院のことを外部の目で見て改革を行った。外部だからこそ気付けるコンテンツの素晴らしさや斬新な発想があったわけです。

地方創生という言葉を聞いて久しいですが、なかなか進まないのが現実だったと思います。その大きな原因は「人材不足」「コンテンツ不足」。地方再生の委員会では「船頭多くして船山に上る」も多いと聞きます。しかし、これからは都市部で鍛えられた若い人が、その土地のコンテンツに縛られることなく起業することが増えていくでしょう。そして地理的条件に縛られることなく全国・世界を相手にビジネスを行うでしょう。またアニメ巡礼など国内旅行が増えると、そこに人の流れが生れ、流れは更に流れを生み、経済効果も大きくなる。我が地域をアニメやマンガの舞台として作家やテレビ局に売り込むのもアリでしょう。これから日本各地が新しい歴史を刻むように思います。

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