AIは本当に仕事をリプレイスするのか

配信日:2021年9月22日

先日、ある方とDX(デジタル化)の話になりました。「日本では、そもそもデジタル化を勘違いしているのではないか」。ちょうどデジタル庁が発足したこともあり、良い機会だと思いますので紹介します。その方が仰るには、PCやスマホ、SNSを使うことに加え、紙をなくすことやリモートワークをデジタル化と呼んでいるのではないかと。「しかしこれらはかなり表面的な手段であり、目的とは程遠いものがあるように思います」。その通りだと思いました。僕自身、デジタル化とは何かとあらためて考えてみると、「あれ、何だったかな?」と立ち止まりました。思い出してみると、デジタルツールとビッグ・データを活用して業務効率を圧倒的に上げることだったように思います。違うかもしれませんが。

偶然、別の方ともデジタル化の話になりました。その方の会社ではそれまでの仕事をデジタル化すること自体が目的になっているようなのです。「DX、ネット化など変化が激しいですが、私を含めシニア世代にとっては、晴天の霹靂のように思います。これまでやってきたことをわざわざ変える苦労なんてしたくない」と。ご本人は「シニアにとって」と仰っていましたが、多かれ少なかれ「変化に対する人間の本音」だと思いました。ましてや、それまでのスキルや方法を「敢えて」捨て去り、不慣れなことを強いられる苦痛は甚大です。細かいところで言えば、PCを新調してOSがバージョンアップされていると「使い勝手が悪くなった」など、誰もが感じるストレスと同じ。ましてや業務として180度、方向転換するのは逆に業務効率が一時的に悪くなるだろうと思います。「文系にもプログラミングを」の声もありますが、本当にどうなるのだろう。得意なことをもっと極めるほうが良いのではないかと個人的には思います。

2013年、オックスフォード大学のカール・フレイ氏とマイケル・オズボーン氏が「雇用の未来」という論文で、AIによってなくなる職業が47%あると発表して衝撃を与えました。特に事務職や営業、販売、サービス業の大半がAIに職を奪われると。労働者にとっては必ずしも望ましくない未来として恐れすら抱かせました。しかし本当にそうなっているのだろうか。8年経った現在、2021年でのAIへのリプレイスはどうか。日本はデジタルの浸透すら遅れている現状で、リプレイスを実感することはまだないでしょう。では米国はどうか。『MITのダロン・アセモグル教授らのグループが分析した「AIと仕事。オンライン求人状況からの証拠」。この研究では、オンラインの求人広告のデータを集めて、AIに関する技術的な能力が必要な職種がどれくらいあるかを調べた。(中略)AIを使う仕事とそうでない仕事を仕分けして、求人全体に占める比率を計算したところ、まだ全体の0.8%ぐらいしかAI人材の求人は出ていなかった(日経新聞9月19日)』0.8%が何百人、何千人のアナログな職業を駆逐するのかはデータとしてまだありませんが、この程度の割合ならリプレイスは程遠いと言ってよいのではと思います。日進月歩の世界にしては遅いように感じます。まだ途上なのでわかりませんが、社会全体の話ではなく「一部の話」かもしれない。デジタル化もAIも社会の一部として発展するのであって人間の仕事・活動全体はもっと複雑でアナログなのかもしれないと思い直しました。

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