感染者数が減った原因を分析してみた
配信日:2021年10月20日
コロナの感染者数が短期間で驚くほど減っています。ワクチン接種の効果と思いたいけれど、あまりにも状況が変わったので「他にも理由があるのでは」と思います。そこで日本のデータは置いておき、世界の感染状況を調べてみました。「チャートで見る世界の感染状況(日経新聞)」。この1年10ヵ月、このデータベースをよく眺めました。恣意的なコメントではなく数字で語るので解りやすい。その上、データが蓄積されていますから調べたい時に調べたい切り口で眺めることが出来ます。
細かい数字は日経を見て頂くとして、10月18日時点での世界の感染状況はだいたい次のようになっています。
1.世界的に感染者数は減少している。それでも英国は増えている。
(対象国は米国、ブラジル、インド、英国、イスラエル、南アフリカ、中国)
2.世界的に死亡者数も減少している。英国は横ばい。(同上)
3.人口1000人当たりの検査数は英国も含め世界的に減少しているが10月18日時点で最も多いのは英国である。
(米国、イスラエル、シンガポール、英国、フランス、日本)
4.陽性率は米国、英国、シンガポールが上昇。その他は減少している。(同上)
5.ワクチン接種率は5割から8割のレベル。英国は2番目に多く接種している。
(韓国、チリ、英国、米国、イスラエル、ドイツ)
英国は早くから日常を取り戻す政策を導入していて、いまの日本の雰囲気に近いと思いましたので一つのモデルとみなしてデータを読みました。これを見ると、英国では死亡者数こそ横ばいですが感染者は依然、増えているのがわかります。気になるのはワクチン接種で、英国は2番目に多いにもかかわらず感染者が増えていること(反比例)。一方、検査数の増えと感染者数の増えが比例していることでしょうか。つまりワクチン接種よりも検査者数が感染者の増加に強く影響しているように思います。つまり母数が増えているから感染者のカウントも増える。翻って日本の1000人当たり検査数をみると、英国の13件に対して1件未満のレベル。最近の感染者数の減少は検査数の減少が理由ではないかと思います。もっともワクチン接種を終えた人は検査をする動機がないでしょうから、これはごく自然な流れだとも思います。逆に英国ではワクチンを打っていても感染者数が増えているから検査も減らないのだろうと思います。感染者数が減れば、あまり怖がらないメンタリティもできるので世の中を再起動していくには良いとも思いますが、本当に安心して良いかという点では「個人の判断に委ねられる」のが実情でしょう。