コロナはどうやって終息しそうか?

配信日:2022年7月6日

最近ではあまり話題に上らなくなったコロナですが、感染者数は再び増えてきているようですね。世界でも同様で、オミクロン派生型の流行が原因です。ただ死者や重症者の数に大きな変化はないようで、どの国もコロナと共生する方針は変えていません。今後、感染者数がどうなろうと、このままコロナは人々の意識から消えていき、やがて本当になくなっていくのではないかと思っています。そう思っていたら興味深い記事を見つけましたので紹介します。100年前のスペイン風邪がどのように終息したかです。

「歴史家の話では、スペイン風邪が実際に終息した時期は曖昧なままだ。その一因は、米国民がスペイン風邪疲れに陥っていたせいだと言う。スペイン風邪のパンデミックに関する歴史的記録は、最初の2年間に記されたものが大半で、それ以降の記録はほとんど残っていない」「当時もマスク着用の義務を守らない人は多かったが、マスク着用に対する組織的な反対運動はほとんど発生しなかった。公衆衛生策に反対する声の多くは、政治ではなく経済状況に起因するものだった」「1920年末には、スペイン風邪の勢いも衰え始めた。米国では、1922年以降も感染者や死亡者が増加する小さな波が再び発生したが、世間の関心は低かった。新型コロナ感染症とは違い、スペイン風邪のパンデミックは、数年にわたって毎日のように大きく報道されることはなかったからだ。また医師や公衆衛生の専門家も、今後は発症しても重篤な症状にはならないだろうという楽観的な予測を発表した」「パンデミックの勢いが衰え始めると、将来に対する楽観論が生まれ、人々はパンデミックを過去に押しやって暮らしたいと願うようになった」(ナショナルジオグラフィック日本版。日経新聞3月28日に掲載)

この記事は当時の米国でのことです。興味深いのは「スペイン風邪疲れ」「楽観的な予測・楽観論」そして「人々はパンデミックを過去に押しやって暮らしたいと願うようになった」です。これは今の日本にも当てはまることではないでしょうか。当時の人たちは「見たい未来を見る」ことによって現実を呼び寄せたのでしょう。そして「歴史は繰り返す」のであれば、いまのコロナにも当てはまりそうです。ところで「人が見ていない時、月は存在しない」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。アインシュタインとインド人思想家タゴールの会話です。この時、アインシュタインは「私が見ていなくても月は存在する」と主張し、タゴールは「そこに月を見るから月が存在する」と主張しました。つまり「認識が現実を作る」と言ったわけです。スペイン風邪の終息は「認識が現実を作った」ように思います。

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