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ギリシャのデフォルト問題

配信日:2011年

デフォルト(default)という聞きなれない言葉も、ギリシャの問題で一般化するのではないでしょうか?これは金融用語で「債務不履行」のことですが、手元にある英和辞典で調べてみると、一般的な言葉としては「怠慢」と出ています。

つまり借金を返さないのは「怠慢」にほかなららないのです。
10月28日のユーロ圏首脳会ではギリシャ国債元本の50%削減を決めました。これによってギリシャは事実上の破綻でもあるデフォルト(債務不履行)の状態に入ったわけです。

債務不履行が「怠慢」の同義語として使われるのは言い得て妙です。
50%の借金を返さなくても良いというのは債務者にとっては楽な選択肢に思えます。しかし一方で、世の中の半分からアテにされなくなった、見捨てられたということでもあります。あとは自分たちで死ぬなり生きるなり勝手にしろと言われたようなものです。

苦しいかもしれないが借金をまじめに返す生き方と、楽かもしれないが世の中から見捨てられる生き方。一体、どちらが本当に大変なのだろうか?

ギリシャ国民はそのような祖国をリスペクトできるのだろうか?

もっとも、ギリシャの破綻については「そうすることで得をする国がユーロ圏にあるのだろう」ということも感じます。しかしこの国の破綻が世界経済に影響を及ぼすことは誰しも感じていることで、「エゴイスティックな意思決定」といつしか言われるのではないかと思います。

さて借金を返すということについて、世の中のファイナンス系の本などを読むとひどい内容のものも見かけます。

「借金を返せなくなったら自己破産をすれば良い」「日本の法では借りた者勝ちで返さなければ債権者は泣き寝入りするしかない」などと書いてあるものもあります。私自身、昔、お金を貸した友人が雲隠れしてしまい困った時、弁護士に相談して同じ事を言われた記憶があります。

しかし、借金を返さなくても良いのだという「こざかしい戦略(甘え)」が、その人間をそれまで以上にダメにすることはよくあります。

そもそも借金をちゃんと返さないような人間が成功したという話を聞いたことがありません。それどころか大抵は同じ事を繰り返す。ギリシャに自尊心があるのなら、ちゃんと返済することを考えてはどうか?

かつて日産は2兆円の有利子負債を抱え倒産寸前に追い込まれました。そんな中、1999年にルノーとの提携によってカルロス・ゴーンさんがCEOに就任しました。世の中はルノー流の経営手法を訝しく見ていました。

「経営文化が違う。日産には労働組合がある。そもそも負債額が大きすぎる」しかしゴーンさんはリストラと再生プランを進めました。

工場の閉鎖、資産の売却、人員の削減など「コストカッター」と呼ばれる一方で、それまでの日産にはなかった斬新なデザインの新型車を積極的に投入。ここには経営者の生き様がありました。そして世の中の日産を見る目は変わった。それまでの「冴えない自動車メーカー」から「何か新しいことをやってくれるメーカー」に変わったのでした。そして2003年には負債を完済。就任からたった4年でそれが出来たのはゴーン氏だからではないかと思います。

どんなに苦しい時でも、人間はより高次元のレベルを目指して頑張ることが大事ではないかと思います。これは借金問題もマーケティングの問題も個人的な問題も同じこと。「この程度で良い」「ここまで返せば後は知らない」「今のままで良い」と思ったところから、人間も企業も国もダメになっていくのではないか思います。まさしくデフォルト(債務不履行)が「怠慢」を意味するわけです。

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