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転職とセルフイメージ

配信日:2011年

セルフ・ブランディングでは「セルフ・イメージ」の果たす役割が大きいということを、先日も実感することがありました。

その会員さんは失業中に私のところを訪れてくれました。年齢は43歳。教育ビジネスの大手、ベネッセ・コーポレーションで営業マンとして仕事をしてきた方です。新卒での地方営業に始まり、学校向け営業、書店向け営業、通信教育事業と多くの営業畑をあるいてきましたが、昨年の6月に早期退職制度を申請して退職。「ベネッセ出身というブランド力、自分がこれまでやってきた営業マンとしての実績ならどこでも採ってくれるだろう」と考えてのことだと伺いました。しかし現在のように就職の難しい時期にあって、なかなか再就職先がなかったとききました。それでもご本人の希望は現場の営業マネージャーであり、「常に第一線にいたい」とのことでした。

そのような約半年の転職活動の後、11月に初めてパーソナル・セッションを受けて頂きました。最初にやることは「パーソナリティとキャリアの棚卸し」です。この時も同じようにそうしました。そして営業マンとして華々しいキャリア実績が書かれた履歴書を見て、面白いことに気付きました。

この方には「自分はザ・営業マンなのだ」というセルフ・イメージが強烈にあるということでした。それが履歴書にも表れていました。しかし転職先企業にしてみると「年齢のいった実績のある現場営業マンは使いにくい」というイメージがあるものです。普通、営業部の上司はもっと若くて元気のある営業マンを欲しがるものです。自分と同じような年齢の営業マンを欲しがるとは思えません。皮肉にもその人が優秀なら尚更、敬遠する上司は少なくないと思います。脅威に感じるのです。

この方は履歴書で、素直に自分の強みを打ち出しているだけなのですが、ご自身の「現場営業マン」というセルフ・イメージが転職を困難なものにしているとおもわれました。そのためにご自身も弱気になってきて、希望年収も「これくらいでいいです」と低く見積もられるようになっていました。

そこで最初に申し上げたのは「現場の営業マネージャーなどではなく、外資系のゼネラル・マネージャー(社長)や大手日本企業の事業部長のポジションを目指してはいかがですか」ということです。事実、お話を伺うと新規事業の立ち上げなどにかかわった経歴が多くありました。

まずはセルフ・イメージを「上級管理職」にして履歴書を書き直すこと。すると書く内容も営業実績よりも管理職としての特記事項が増えるものです。その中でも営業能力をレバレッジにした実績を示すこと。そしてそのような転職先にアプローチすることです。転職先については私の旧来の人材コンサルタントにもサポートしてもらうことにしました。

そして1月中旬。「大手予備校の河合塾の事業部長に内定しました」とご連絡を頂きました。こういう連絡は本当に嬉しいものです。ご自身がキャリアを積んできた教育産業での再就職。しかもそれまでのキャリアを買われ「営業開拓が非常に重要になる新規ビジネスの事業部長」としての再就職です。年収も希望されていたものよりも180万円も高いものになりました。随分お礼をいわれて、私の方が恐縮してしまいました。

このような結果になって本当によかったと思います。そしてご自身のセルフ・イメージを「現場の営業マン」から「上級管理職」に変更できたことが重要でした。「先方はまだ若いけど新規ビジネスの責任者として期待してくれています」とのこと。ポテンシャリティを買われたのです。

転職がなかなか上手くいかないと「どうせ自分などダメなんだ」というセルフ・イメージを持ってしまうものです。しかしここが本当の障壁になる原因なのだと気付くことが重要です。例えば優秀な営業マンが例外なく自社製品を愛しているように、あるいは出来の悪い子供を愛する親のように、ちょっと自分自身に難があると感じても長所は決して見逃さず、大事に育てていこうという発想が必要です。

逆に言えば、輝かしいキャリアや実績よりも「ポジティブなセルフ・イメージ」のほうが実際には役に立つかもしれません。

難しいのはセルフ・イメージというのは本人が無意識に持つもので、心情的な障壁になっていることにすら気付かないことが多いのです。ですからそれを伝えることがまずは重要になります。「あなたは本当のところ、こんなに凄い人なのだ」と私も素直に告げます。それを素直に受け取れる人は「成功すること間違いなし」です。この会員さんもそうですが、素直さは成功者の資質だと思います。

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