ブランドコンサルティング事例「洗濯洗剤ブランドの【洗わない洗濯】イノベーション

2019年のプロジェクトです。ある家庭用品ブランドのクライアントさんで「洗濯しない洗濯(Laundry-less laundry)を可能にするには」というテーマでイノベーション・プロジェクトを行いました。洗濯という行為は過去70年間、基本的には「洗う・乾かす・たたむ」という作業によって成り立ってきました。それを前提に、各社より洗浄力の高い洗剤や、家電メーカーでは短時間で洗えるマシン、干す必要のない乾燥機などが開発されてきました。しかし「洗う・乾かす・たたむ」という作業プロセスは何も変わっていません。「洗濯しない洗濯」プロジェクトはそれを超えるイノベーションを目指していました。例えば「水を使わず汚れを落とすには」「洗わず清潔な服を着られるようになるには」などです。これらは既存の技術や経営資源をもとに考えていても答えはでない。まっさらな視点でイノベーションのアイデアを見つけ、不足している技術や能力は「新しい武器」として入手していくことが求められました。

イノベーションのアイデアは、一般の生活者に訊いても大した答えは見つかりません。私たちはイノベーション・プラットフォームを使うことにしました。私たちが頻繁に使うイノベーション・プラットフォームには世界38万人のクリエイターが登録しています。クライアントは彼らに「お題」を出し、それに対してアイディエーション・コンテストを実施します。クリエイターは「ちょっと先の未来が見え、かつ考えをビジュアルやテキストで表現することに長けているひとたち」です。彼らにアイデアを考えてもらうことで「洗わない洗濯」のイノベーションを探すのです。

「洗濯を再設計して、もっと簡単に、楽しく、前向きなものになるような ソリューションを発明してください!」これがクリエイターに出されたお題でした。34ヵ国から45のアイデアが集まりました。(図-5)

図ー5:イノベーション・プロジェクト「洗わない洗濯」

図ー5:イノベーション・プロジェクト「洗わない洗濯」

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