創業120周年を迎え、「今後、自社の事業領域」はどうあるべきか。それに伴う新社名の変更はどうしたらよいか。
私たちは「120周年事業プロジェクト」を立ち上げ、社内の有志メンバーを募りました。
16人のプロジェクト・メンバーと事務局を中心に、会社の将来像や事業領域について真剣な議論を重ねました。
それに基づき170もの新社名案を作成。
社内アンケートを踏まえ、経営陣とも議論を重ね、最終的に新たな社名、コーポレイトスローガン、コーポレイトロゴを発表しました。
サードウェーブやコンビニ・コーヒー、サブスクでの通販の台頭、またクラフト・コーヒーのような新形態の飲用スタイルが出てきて、缶コーヒーブランドは売上を落とす傾向にありました。
今後、どのような競争戦略を採ればよいか。課題は新しい販売コンセプトと新業態、そしてそこでの新しい顧客体験を生み出すことでした。
しかし日本人の発想では目新しいものは出てこない可能性が高いと思われました。
私たちは海外の協力会社を通じオープン・イノベーションのプラットフォームを使い、世界33ヵ国からクリエーターのアイデアを募りました。
結果、66の斬新なアイデアを得られました。
音楽プロデューサーや楽曲クリエーターなどシンセサイザーへのニーズも「ハードからソフト」へと移り変わるなかで、ハード主体だった事業構造や製品ポートフォリオを、どのようにソフトへ移行させるか。
私たちはクラウドの新ブランドを立ち上げることにしました。
そして製品機能と無数にある音源をクラウドで必要に応じてダウンロード。
ハード(楽器)と繋がることで、常に最新・最良の状態で製品の価値を保つことを可能にしました。
飲食店やサロンで使われるタブレット型POSレジ。このブランドはそれまでのレジ業界にはない新興ブランドで急速にプレゼンスを拡大していました。
この勢いを失いたくない。
経営陣にブランド投資の効果を納得してもらい担当ブランドへの投資を継続して欲しい。
そのために投資の効果検証をどのようにしたら良いか。
幸い、このクライアントは2年以上も毎月、ブランド・トラッキング調査をしておりデータは揃っていました。
私たちはそのデータを加工し売上との相関性をあぶり出し、更に膨大なエクスペンス(経費)資料を効率的に仕分けしてマーケティング費用の費目化を行いました。最終的に売上と相関性の高いブランド投資を検証・可視化することに成功しました。
ブランドの梃入れをおこないながら売上を再浮上させるにはどうしたらよいか?
私たちは顧客が毎日接するタッチポイント、商品ラインの整理統合・集約とパッケージデザイン戦略の見直しをしました。
ポイントになったのはレストランなど煩雑で忙しい飲食店の厨房で各種洗剤と除菌剤の誤使用を最小限にすること。特に外国人アルバイトであっても安心して使えること。
そこでブランドらしさを全面に打ち出した「統一デザイン」を設定後、カテゴリーごとのカラーコントロールを設計。商品ネーミングもブランド名よりも製品カテゴリーや用途を前面に押し出すことで誤使用を最小限にする戦略をとりました。
コンビニを中心にメーカーへ開発営業のニーズが高まる中で輸入菓子という外国人向け大容量・包装形態のブランドをどのように市場に適合させるか。
特に「小腹需要」と呼ばれる市場が台頭しているなか、私たちは商品をバルクで輸入し日本でスモールサイズにリパックする戦略を採用しました。同時に営業活動を個人の活動からソリューション型・チーム対応型に変更。
マーケティング・スタッフと物流スタッフを同行させ顧客の業態・ニーズに合わせた商品リパックの提案をおこなうようにしました。
日本の農業人口が減少していくなかで将来も顧客(農家・営農集団)から必要とされる農業機械メーカーでいるにはどうしたらよいか?
コーポレイト全体のブランド再構築です。
私たちは社内にリブランディング・プロジェクトを立ち上げました。そして顧客の重要なニーズを再度検証し、私たちが勝てる土俵を選択し、ブランド・コンセプトを再設計し、広告、ウェブなどブランドの表現要素をすべて見直し、そして実施しました。
グローバルに展開する日本企業のケース。
常に進化し続ける音楽ジャンルでは、それを創り出すDJやクリエーターのパフォーマンスを昨日よりも更に良くしていくことが常に求められます。
私たちは「過去の名機」をリバイバルさせ、そこに最先端のテクノロジーと、劇的にユーザビリティを改善する新たなワークフローを創造する戦略をとりました。(リブランディングというよりはリニューアル戦略)
売上目標の未達が常態化しているなか、マーケティング部の企画精度を向上させ、それを営業とシェアし実行可能性の高いものにし、最終的には営業部の実行レベルを高めるにはどうしたらよいか。販売に携わる各部署のマインドを達成志向に変えるには?
私たちは4つの事業部を対象にマーケティング部、営業部から20名のキーメンバーを集めプロジェクトチームを作りました。
そして実際の業務オペレーションを題材に3ヵ月ごとにPDCAを回す訓練をしました。主な改善ポイントになったのは、計画段階では「アクションプランは行動レベルで明確化すること」「キャンペーン準備を完璧に行うこと」、行動段階では「顧客への訪問回数・行動量を死守すること」「キャンペーン消化率を追うこと」、検証では「毎日、今日の反省を一人一人が行うこと」「アクションプランの各行動目標がどの程度達成できたかを細かく見て学ぶこと」、そして再アクションでは「その学びをマーケ・営業共に共有し次回の計画の改善に活かすこと」を9ヵ月かけて行いました。
ぶれてしまったブランド・コンセプトを再度、明確化するには?製品ラインを増やしているうちに、一体、自分たちのブランドとは何なのかが見えなくなっていました。
私たちは外部のコピーライターをいれたプロジェクトチームを組み、ブランドの現状やコンセプトについて話し合いました。
そこである程度のブランド理解を共有した後、ブランドの創業者(創業社長)にインタビューを試みました。創業者はこのブランドが何にこだわって世の中に出てきたのか、当時の野望がどのようなものだったのかが、まるで「そのブランドという人物」が話すかのように語られました。その言葉を一つ一つ検討し、プロジェクトチームの理解を修正しながら、最終的にブランドの魂を表現するようにコピーライターと一緒にまとめ上げました。