理美容品会社のマーケティング&営業組織活性化
2018年のプロジェクトです。多くの会社で、営業は営業部のみで成立しているわけではなく、営業に直接関連する企画、マーケティングの他に、ロジスティクスなどのバックオフィスも関係します。会社によってはこれらの連携がうまくいかず、結果、成果に結びつかないことも多いもの。組織的な連携が滞り、ろくな施策も用意されず、営業は商談を決めてきても納品が滞り、顧客に叱られるなど度々目にします。更には営業から別部署へ苦情はあっても彼らからの改善案がなかなか出てこないのもよくあることです。要するに組織的な複雑骨折があるのです。
理美容業界のあるクライアント企業ではこれを問題視しました。しばしば起こる売上やキャンペーン消化の未達成は、単なる営業の問題ではなく、企画部の施策、営業マネージャーの現場管理、営業マンの日々の活動、これらが関連して起きている問題でした。それらをつなぎ合わせてみると、根本の課題は「組織活動のPDCAが廻せない」となっていることに気付きました。そこで私たちは4つの事業部を対象に企画部、営業部から課長クラスのキーパーソン20人を集めて実践的なトレーニングを行うことにしました。
実際の業務を題材に3ヵ月ごとにPDCAを回すのです。企画部では「施策を一連の行動で明確化すること」、営業の実行段階では「施策を完全に遂行すること(消化率を評価する)」、企画部と営業部の合同会議(検証)では「施策の消化率をつまびらかにし、原因分析を共有し改善すること」がポイントでした(表ー7)。
達成率良い | 達成率悪い | |
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消化率良い | 施策成功。次回、施策を継続。 (または他ブランドへ横展開) |
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消化率悪い | 施策があまり役に立たなかった。 |
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2週間おきに集まり、しつこく進捗が滞る原因を追究しました。最初の3ヵ月はパイロット・テストに近いものでしたが、次の3ヵ月は随分と改善。その過程でコミュニケーションを密にして、全員の前で「褒める」ことを徹底しました。そしてようやく、最後の3ヵ月では一人一人が要領を得るようになりました。私の経験ではこれでもはやいほうだと思いました。PDCAサイクルがテーマではあったものの、「習慣が当たり前を作る」を実感した事例です。
ちなみに、この会社ではしつこいトレーニングを通じて体得したものの、営業活動でPDCAを廻していくのは本当に難しいのも事実です。元々、PDCAは品質改善を目的に製造現場、工程の改善で使われる考え方です。しかし営業活動のプロセスは製造工程のようにシンプルではなく、検証するべき項目が複雑で煩わしいことも往々にしてあります。多くの会社が、わかっていながらPDCAを廻せないのは仕方ないことでもあるのです。
事例紹介一覧
ビール会社の新価値創造プロジェクト
過去3年間ヒット商品不在。販売目標未達成。 開発力や販売力はあるのに、それが十分に活かせず自信を失う社員たち。 ヒット商品を出すべく、これまでの開発をゼロベースで見直すプロジェクトが始動しました。
シャンプー・ブランドの「市場導入」プロジェクト
多くのブランドで溢れかえるバトルロワイヤル型の典型といえるシャンプー市場。 「そんな市場で採算は取れるのか」など懐疑的な声が上がるなか、 シェア獲得を目的とした市場戦略の立案を行いました。
化粧品ブランドの「シェア挽回」プロジェクト
インバウンド需要により急拡大した化粧品市場。しかし2020年パンデミック以降は急速に減少。 このブランドの売上も2020年以降急速に減少しました。 しかし様々なデータを分析していくうちに別の理由が明らかに。
洗濯洗剤ブランドの「洗わない洗濯」イノベーション
電気洗濯機が登場して約100年。 「洗う・干す・たたむ」という作業は今もなお変わっていません。 これを打開すべく、私たちは世界38万人のクリエイターからアイデアを募集しました。
新潟県酒造組合「にいがた酒の陣」アドバイザリー支援
2003年から13年に渡るプロジェクトで、私どもの開業当時からのクライアントさんです。 ちょうど当時、アドバイザーを退任した時の記録がブログに残っていましたので、以下、その一部を転載して事例紹介とします。
理美容品会社のマーケティング&営業組織活性化
せっかく営業が商談を決めてきても、納品が滞り顧客に叱られるなど度々目にします。 これは単なる営業の問題ではなく、企画部の施策、営業マネージャーの現場管理、営業の日々の活動、これらが関連して起きている問題です。