インナーブランディングとは〜なぜ社員はブランドアンバサダーになってくれるのか?〜

インナーブランディングとは
〜なぜ社員はブランドアンバサダーになってくれるのか?〜

配信日:2025年2月19日

インナーブランディングとは、企業のブランド価値を社内に浸透させ、社員がそのブランドの一員として誇りを持てる環境を作ることです。これが成功すると、社員のブランド理解が深まり、その価値観が日々の業務や行動に反映されます。結果として、外部の顧客や市場にもブランドの魅力が伝わり、アウターブランディングへと昇華していきます。

例えば、ホテル業界や高級レストランでは、顧客が快適に過ごせるように徹底的に気を配る文化が根付いています。スターバックスのような企業では、単にコーヒーを提供するのではなく、顧客一人ひとりに寄り添った体験を大切にするホスピタリティ文化が醸成されています。こうした取り組みが積み重なることで、社員自身がブランドのアンバサダー(大使)となり、顧客との接点においてその価値を自然に発信するようになります。

ブランドアンバサダーとは何か?

ブランドアンバサダーとは、企業の価値観や理念を深く理解し、それを自発的に広める存在です。単なる広告塔ではなく、ブランドの「生きた証人」として、自身の体験や信念をもとにブランドを語ります。

なぜブランドアンバサダーが必要なのか?

現代の消費者は、企業のメッセージよりも「実際の体験者の声」に耳を傾ける傾向があります。企業がどれほど良いブランドメッセージを発信しても、実際にそのブランドを信じ、愛している人の言葉には敵いません。そこで、社員がブランドアンバサダーとしてふるまうことで、消費者にとってのブランドの信頼性が高まり、ブランドの価値が自然に広がっていくのです。

理想的には、ブランドアンバサダーは社員だけでなく、顧客にも広がることが望ましいです。しかし、まずは社員自身がブランドの価値を深く理解し、愛することが不可欠です。社員が心から愛していないブランドを、社外の誰かが愛することはありません。そのため、社員をブランドアンバサダーにすることが、ブランドの信頼性を高める第一歩となるのです。ここにインナーブランディングの意義があります。

社員をブランドアンバサダー(大使)やエバンジェリスト(伝道師)にすることは可能か?

企業がブランドアンバサダーを増やしたいと考えたとき、単なるマーケティング施策ではなく、「社員が自主的にブランドの価値を広めたくなる環境を作ること」が最優先になります。

ただし、「会社の指示でブランドの価値を発信する」のではなく、「社員自身がその価値を信じ、体現する」ことが重要です。社員がブランドの価値観を理解し、共感し、自らの言葉で語ることができるようになれば、ブランドアンバサダーとしての役割を果たせるようになります。

なぜ社員はブランドアンバサダーになってくれるのか?

私たちビーエムウィンが2003年から2016年までかかわった「にいがた酒の陣」。そこでご縁を頂いた尾畑酒造さんの事例を紹介しましょう。ちょうど2024年12月20日の日経新聞に尾畑酒造さんと尾畑留美子さん(尾畑酒造五代目蔵元)の記事が出ていたのでそこから抜粋します。尾畑酒造(新潟県佐渡市)は、日本酒造りを通じて地域の文化や歴史を伝えることに取り組んでいます。特に、5代目蔵元の尾畑留美子さんは、単なる酒造りにとどまらず、「佐渡の魅力を世界に伝える」という強い使命感を持ち、それを社員と共有しています。

社員がブランドのアンバサダーになりたがる理由は、単なる業務の一環ではなく、ブランドの価値が自分自身の価値観と一致していると感じられるからです。特に以下の3つの要素が大きく影響します。

1.「自分がブランドを支えている」という誇り
尾畑酒造の社員は、単なる酒造職人ではなく、「佐渡文化の伝え手」という意識を持っています。自社の日本酒を販売することだけでなく、その背景にある佐渡の歴史や文化を伝えることに誇りを持っています。ブランドの一員として、自分の役割がブランドの成功に貢献していると実感できると、社員は自発的にブランドの価値を広めたくなります。
2.ブランドの価値観と個人の人生が重なる
尾畑留美子さん自身、幼少期から酒造りが身近にあり、大学時代には日本酒研究会に所属するなど、自然と日本酒の価値を自分のものとして受け入れてきました。彼女の生き方そのものが、ブランドの価値と重なっており、社員もその考えに共鳴しやすい環境が作られています。仕事を通じて、自分の人生の目標や価値観とブランドの理念が一致すると、ブランドを推進することが自己実現にもつながります。
3.「伝えたくなる」ストーリーを持っている
尾畑酒造の日本酒は、単なる商品ではなく、「佐渡の自然・文化・歴史を体現するもの」として位置づけられています。例えば、廃校を活用した「学校蔵」では、日本酒造りを学び、体験できる機会を提供することで、社員だけでなく訪問者もブランドのアンバサダーとなる仕組みを作っています。ブランドが単なる商品やサービスを超え、文化や理念を持っている場合、社員はそのストーリーを伝えたくなるものです。

まとめ

ブランドアンバサダーは、「社員がブランドの価値を自主的に体現し、発信する存在」です。そのためには、企業がブランドの価値観をしっかりと社内に浸透させ、社員が自然とその理念に共感できる環境を作ることが重要です。

ブランドが単なる商品ではなく「事業にまつわる文化や価値観」を伴うと、社員は自然とアンバサダーになります。社員が誇りを持ち、ブランドの一部としての役割を実感できるようにすることで、ブランドのメッセージはより強く、より自然に外部へと広がっていくのです。

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