ブランド価値って結局、何?
配信日:2025年1月8日
ブランド価値という言葉は、マーケティングやビジネスの現場で頻繁に使われます。しかし、それが具体的に何を指しているのかは、意外とはっきりしないまま使われることも少なくありません。たとえば、「認知度」「信頼感」「ロイヤルティ」などがブランド価値として挙げられることが多いですが、それだけでブランド価値の本質が語れるのでしょうか?さらに言えば、これらの要素が高くても、必ずしも売上に結びつくわけではない場合、それは本当に価値があると呼べるのでしょうか。
視点の違いで変わるブランド価値の意味
ブランド価値は、どの視点で捉えるかによって意味が大きく異なります。
消費者視点では、ブランドは感情や経験、自己表現の手段として価値を持ちます。「このブランドだから選ぶ」という理由がここにあります。社会的視点では、環境や社会への貢献、サステナビリティの推進がブランド価値の一部となります。企業の使命や社会的責任がここで語られるでしょう。そして、企業視点では、ブランド価値がどれだけ利益や売上に結びつくかが最も重視されます。この視点こそが、マーケターにとって最も関心の高い部分ではないでしょうか。
実務におけるブランド価値:売上との関係
実務の場では、ブランド価値を売上や利益との関連性で考えるのが最も具体的で現実的です。たとえば、いくら認知度が高くても、それが売上や利益に貢献しない場合、企業にとってのブランド価値とは言えません。また、消費者からの信頼感やロイヤルティが高まる施策を実行する際も、それが売上や市場シェアの拡大に結びつくかどうかが重要な判断基準となります。
ブランド価値を高める取り組みは、感覚的なものや理想論だけではなく、最終的には売上や利益にどう影響するかを明確にしながら進めるべきでしょう。
ブランド価値は「様々な要素に支えられた結果の売上」で評価する
ブランド価値の定義や要素は多様ですが、それらは売上という「目的」のための「手段」と言えるでしょう。マーケターにとっては「売上」というシンプルで明確な指標を総論的価値として捉えるのが現実的です。売上を中心に据えつつ、認知度や信頼感、顧客ロイヤルティといった周辺的な要素を活用していくことで、ブランド価値の向上をより効果的に進めることができます。つまりブランド価値の議論は多岐にわたりますが、実務においては「売上をどう最大化するか」を基軸にして考えることで、より明快で実践的な議論が可能になるのではないでしょうか。