
ブランドの流れを変えるために、やるべきこと・やってはいけないこと
配信日:2025年2月26日
ブランドが停滞していると感じたとき、多くのマーケターが取る手段のひとつが「新ブランドや新製品の投入」です。しかし、多くの場合、新製品は短命に終わり、ブランド全体の流れを変えることはできません。それでも新製品信仰は根強く、多くのマーケターが依然として続けています。この状況を打破するためには、なぜ新製品が成功しないのかを考えることが重要です。
なぜ新製品は成功しないのか?
- 1.既存ブランドの価値を活かしていない
- 多くのマーケターは「新しいもの=成功」と考えがちですが、実際には既存ブランドの価値を最大限活用せずに、新しいものを投入してしまいます。その結果、消費者にとって関連性のない商品になり、ブランド全体の力を強めることができません。
- 2.そもそも既存ブランドを強くするという目的意識が弱い
- 目の前の売上や市場の変化に追われ、既存ブランドを強化するという長期的な視点を持たずに新製品を投入してしまいます。結果として、新製品が短命に終わり、ブランド全体の価値が向上することはありません。
「流れ」を変えるために必要なアプローチ
- 1.ブランド全体のシナリオをあらためて考える
- これまでのブランドの歩みと、これからどのように成長していくべきかを整理します。このプロセスを踏まずに単発で新製品を出すと、一貫性のないブランドになりがちです。
- 2.既存ブランドの価値を活かし、新しい見せ方を考える
- 既存のブランド資産を最大限に活用し、ターゲットの見直しや新しい用途提案を行うことで、新たな価値を引き出します。例えば、味の素のほんだしが「和食だけでなく洋食にも使える」と提案を変えたようなアプローチが有効です。
その一環として新製品が必要なら投入します。つまり新製品を出すこと自体が問題なのではなく、その位置づけが重要です。ブランド全体の強化につながる形で投入することで、流れを変えるための戦略的な一手となります。
まとめ:新製品を出す前のプロセスが鍵となる
ブランドの流れを変えるには、新製品の投入ありきではなく、ブランド全体のシナリオを再考し、既存ブランドの価値を最大化することが先決です。その一環として新製品を投入するなら、それがブランド強化につながるように設計するべきです。
単発の施策ではなく、ブランド全体の流れを変える視点を持つことこそ、マーケターに求められる本当の仕事です。
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