
ブランドが持つ価値観を継承し進化させる
配信日:2025年3月5日
ブランドのリニューアルやリポジショニングは、新しい価値を創造する絶好の機会です。しかし、ここで注意しなければならないのは、そのブランドが本来持つ価値観の存在です。長年にわたって培われたブランドの価値観は、顧客にとっては「信頼の基盤」となり、企業の内部でも「誇り」として機能しています。これを軽視すると、ブランドはアイデンティティを喪失し、なじみの顧客の離反を招く恐れがあります。
祖型の記憶とは何か
ブランドには歴史の中で形成された「祖型の記憶(アーキタイプ)」があります。これは、そのブランドが長年大切にしてきた価値観や哲学であり、顧客も無意識のうちにそれを感じ取っています。憧憬心があるのです。そのため、リブランディングを行う際にこの価値観を軽視すると、「このブランドは変わってしまった」と受け止められ、ブランドの魅力が薄れてしまうことがあります。
130年続く会社のリブランディング事例
ある企業が創業130周年を迎えるにあたり、コーポレイトブランディングの見直しを行いました。その際、会社名を見直すことが大きな課題でした。ある広告代理店のクリエイターから「変えるならガラリと変えるべきだ」という提案がありました。しかし、130年続く企業のブランドを、昨日今日生まれたようなスタートアップのようにしてしまえば、長年の顧客の信頼を失うことになります。
結果として、会社名を一新するのではなく、ブランドの歴史を尊重しながら、現代に適応する形で進化させる方針を採用しました。この判断により、顧客の信頼を守りつつ、新たなブランドの姿を提示することができました。
変革と継承のバランス
ブランドを一新するとき、新しい要素を取り入れることは重要ですが、その前提として「歴史と価値観の尊重」が不可欠です。変えるべきものと守るべきものを慎重に見極めることで、ブランドの進化はより自然なものになります。
最も望ましいのは、ブランドの本質を活かしながら、それを現代の市場環境に適した形でアップデートすることです。例えば、デザインや表現を現代的に洗練させる、テクノロジーを活用してブランド体験を強化するなどのアプローチが考えられます。
ブランド価値観を進化させるために
ブランドを進化させる際には、まずその歴史と価値観を深く理解することが重要です。その上で、それらをどのように現代に適応させるかを慎重に検討する必要があります。
つまり「変える」のではなく、「作り替える」。
ブランドの核となる価値観を大切にしながら、それを新しい時代にふさわしい形へと再構築することこそが、真のリブランディングの成功につながるのです。