〜ブランドエクイティが重要な理由と構築する方法〜ブランドエクイティは都市伝説なのか?

〜ブランドエクイティが重要な理由と構築する方法〜ブランドエクイティは都市伝説なのか?

配信日:2025年9月17日

ブランドエクイティとは、ブランドが持つ「目に見えない無形資産」のことだと説明されます。名前を聞くだけで信頼感が湧き、同じ品質でも高く売れる。そんな説明をよく耳にしますが、実際には「本当にそんな力があるのか?」と感じる人も多いでしょう。たしかに現場では、値引きや広告に頼らなければ売れない商品も多く、「ブランド力=売上」と単純に言えない現実があります。

ブランドエクイティが生む確かな効果

とはいえ、強いブランドが実際にビジネス上の成果を上げている事例は数多くあります。たとえばアップルは、同等性能の他社製品よりも高価格でも選ばれ続けていますし、ユニクロは新商品を発売する際に大規模な広告を打たずとも、既存ブランドの信頼で初期需要を確保できます。これらは、ブランドが持つ認知・信頼・愛着といった無形価値が、価格プレミアムや購買選好、新規事業展開にまで影響を与えていることを示しています。

ブランド力だけでは成功しないという現実

ただし注意したいのは、「ブランドエクイティがあれば何でも売れる」わけではないことです。たとえばコダックやブロックバスターのように、強いブランドを持ちながらも技術革新に遅れ、急速に衰退した企業もあります。つまり、ブランドエクイティは確かに推進力になりますが、それだけでは舵取りを誤ると沈むこともあるのです。これは公平に押さえておくべき視点だと思います。

ブランドエクイティを構築する4ステップ

では、そのブランドエクイティはどう構築されるのでしょうか。ケビン・ケラーは次の4つのステップを踏むと説明しています。

  1. 認知(知ってもらう)
  2. 意味(どんな価値があるか伝える)
  3. 好意・信頼(他より優れていると感じてもらう)
  4. 絆(ブランドとつながっていたいと感じてもらう)

ただ、実際の市場では順序通りに進むとは限らない現実も目にします。順調にステップを踏むことがなく、途中で止まってしまったり、逆流やすっ飛ばしも起きます。つまり地図は上記の通りですが、実際の航海状況は様々ということです。ただし「いま自分たちがどの段階にいるか」を示す地図として活用することは可能で、ここに私は価値を見出します。

地図と航海状況を測る方法

graf

では、その地図上の位置、航海状況を把握するにはどうするか。ここで段階ごとの指標を用います。

  1. 認知 → 純粋想起・助成想起
  2. 意味 → ブランド連想や知覚品質
  3. 好意・信頼→好意度や推奨意向
  4. 絆 → ロイヤルティやエンゲージメント

これらを調査し、どの段階が強くどの段階が弱いかを把握することで、「いまどこにいて、次にどこを目指すか」が見えるようになります。

無形資産は“方向づけ”で力を持つ

ブランドエクイティは、確かに「魔法の杖」ではありません。けれど、ブランドの長期戦略という舵に沿って活用されたとき、ブランドの無形資産の現状を可視化し、企業を前進させる強力な推進力になります。だからこそ、定期的に測定し、進むべき方向を意識して育てていくことが、ブランドを強くし、企業を支える力になるのです。

年別バックナンバー

2025年 人気の記事

ブランド構築ガイドブックⅡ 無料進呈中 ▶

bmwin

ブランド構築ガイドブックⅡ
【企業ブランド活性化編】無料進呈中!
ダウンロードする ▶