サザンのコンサートのこと。
配信日:2020年7月22日
明日(7月23日)から4連休ですね。4連休なのですが、在宅や外出自粛を受けて、もはや「連休」という概念自体が風化している気がします。これもコロナ下でのニューノーマル。もちろん、会社員の方々は在宅でも仕事をしているので、連休は連休として休むのですが、それにしても仕事と休日の境界線が風化しつつあるのではないでしょうか。僕のように独立自営で働いていると尚更で、独立した当初から連休とか休日という認識は消え失せました。会社員の方々もそれと同じようなことを感じているのではと思います。
先日、講師を務めた「ブランド・マネジメント基礎マスター講座」で、何人かの受講生から「最近、新規顧客の獲得が遅々として進まないことに悩んでいる」と聞きました。営業活動が滞っているのが原因です。顧客が「様子見」をしていて新しい案件が出ないこと。顧客が在宅などで社内コミュニケーションを充分にとれず、結果、仕事そのものが遅れがちなこと。また受講生自身、社内でのプラン承認も同様で、かつてのように出社であれば毎日上司やその上の上司とも頻繁に相談が出来て承認もしてもらいやすかったけれど、いまではなかなか時間をもらえないオンライン・ミーティングで、それこそ「一発勝負」で承認を取らなければならないから大変などという話も聞きました。当然、経営陣からいろいろと突っ込まれますから「持ち帰りの宿題」も増えているようです。新しい環境での新しい働き方を試しながら前進しているわけです。
コロナになってマーケティングのやり方も変わらざるを得ない部分が多々あります。記憶に新しいのは6月25日に行われたサザン・オールスターズの無観客コンサートでしょう。バンド史上、初となる有料配信ライブ。無観客でありながら会場は40台のカメラが配置され、普段なら観客がいる場所からも撮影していたといいます。客席内に各種の照明やミラーボールを入れ、「観客を入れられない」という状況を逆手に取った演出をしました。ライブチケットの値段は3,600円。それまでのコンサートは9,600円だったのでかなりの割安で高いという印象はありません。そしてコンサートはABEMAなど8つの動画配信サービスを通じて配信され、チケット購入者は18万人(ちなみに総視聴者数は推定50万人)だったと言います。わずか2時間のコンサートで6億5,000万円の収益。もっともそれまでの準備や当日のスタッフ400人の仕事などがあるにせよ、イベント自粛が言われている中にあって、まさしく見事に環境適応した好例です。
考えてみれば、コロナが始まってから、僕も経営者の端くれとして「環境に適応していくこと」をずっと考え続けてきたように思います。マーケティングの支援業務はどうあるべきか。クライアントさんや世間とのコミュニケーションはどうあるべきか。いまもそんなことを考えあぐねながら「ああでもない、こうでもない」と色々と試しています。この一週間は昔作ったフェイスブック・ページの再構築に取り組んできました。サザンのようには出来なくても、結局は「適応していくしかない」。連休の風化も、新規の件も、社内での働き方も、イベントやコンサートも、我が社のことも、最終的には「環境に適応せよ」という、マーケティングの基礎講座で習ったような「シンプルな真理」に立ち戻るのでしょうね。