ブランドの内なる声

配信日:2021年1月21日

米国大統領の就任式は無事に終了したようですね。最後まで何が起きてもおかしくないような状況だったので、まずは安心しました。ただ「これからもまだわからない」が現実だとも思います。それにしてもトランプの辞め方は「晩節を汚す」をそのまま地で行くようでした。4年間のうちに立派な仕事もしたと思うけれど、結局、「最後に何をしたか」でひとは評価するのかもしれない。ここが歴史に記録されるのでしょう。「辞め方・辞め時の美学」がブランドには付き纏うように思います。

今日から米国という「ブランド」は新たなブランド・マネージャー(大統領)を迎え、新たな局面に入っていくことになります。こんな状況で新ブランド・マネージャーが行うことがあります。それは「ブランドの内なる声に耳を傾けること」。もし米国という人物がいるとして、彼は「どうなりたいのだろう」?もちろん何も言ってくれません。だから洞察していくしかない。彼のこれからの野望は何か。何を達成していきたいのか。実は僕のコンサルティングでも同じです。新たなクライアントさんと仕事が始まる時には、そのブランドの内なる声や野望に耳を傾ける(洞察する)ことをします。実は社内のひとより、僕のような外部の人間のほうがよく聴けることも多いと思っています。なぜならそれまでのしがらみや現状の課題という既成フレームに囚われていないからです。その声を社内の人たちに伝え、意見を求めると、そこに新しい気づきや本当の課題を見出すことが出来ます。

小さなブランドは小さいながらに「その良さをもっと輝かせたい」。小さいこと、それが素晴らしいのだと言いたがっています。無名のブランドは無名ながらに「知る人ぞ知るブランド」でいたがっていて、コモディティになるのを嫌っている。「どこかで見たことがある」くらいがちょうど良いと思っている。逆に大きなブランドは「いまの大きさを心配している」こともある。今後の老化も不安だし、顧客の「飽き」も怖い。なにより分不相応だと思っていることもある。一番やばいのは「傲慢」だと知っている。

さて米国というブランドはどんな野望を持っているだろうか。今まで通り「覇権国家」「ナンバーワンの国」でいたいと思っています。それはトランプだろうとバイデンだろうと変わらない。しかしそれに異を唱える新興国、中国やおそらくロシアなどがいるのも事実でしょう。またその陰にはインドもいるに違いない。これらの「競合」はこれまでの米国至上主義の世界を変えようと策を巡らしていることでしょう。そのなかで新しい大統領(ブランドマネージャー)はどんなビジョンを描くか。米国自身のためにも共存や協調の世界を描けるか。国内の分断はどうするのか。世界が注目していると思います。

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