利権団体のオリンピック

配信日:2021年6月9日

先週は尾身会長の発言で、オリンピック開催をめぐる騒がしい一週間でしたね。世論の70%は中止・延期を求めている。しかしIOCや日本政府はやると言っている。「そもそもコロナ禍でなぜ開催するのか」にはいつもと同じ空疎な返答が返され、明らかに議論を避けているようです。なぜ開催するのか?訊くまでもなくIOCの自己保身と利権ビジネス。それに投資回収や日本経済の将来もあるだろう。しかしこの状況下の五輪で本当に経済は良くなるだろうか・・・。そんなことだろうから「そもそも何故?」はいまさら訊く必要ないのです。逆にこれを訊くから、いつもの空疎な返答が繰り返され議論がクローズする。答える側の勝ちパターンがここにある。

ボランティアの人たちの辞退もすごいみたいですね。もちろん五輪に賛同できないということなのだろうと思っていました。しかし昨日のニュースで「もしボランティアをやったら世間や周囲から非難されるから」という声を少なからず聞いて「そういうことか」と思いました。つまり自粛警察を恐れている。自粛警察の人たち、確かに公然と文句を言ってきそうです。正義を押し付ける人には近づかない。しかしこの場合、彼らが勝手に近づいてくるからタチが悪い。どうせ外国人観光客も来ないから通訳ボランティアも必要ない。辞めといたほうが身のためです。

選手の人たちはどう思っているのだろうか。こういう雰囲気のなかで本当に技を競いたいだろうか。「競いたいわけではないが、そこにオリンピックがあるなら競いたい」でしょうか。「純粋な挑戦」とはそういうもので、目標を追うことを目標にするひとは一定数います。しかし世論の70%が反対しているなかでオリンピックに参加すると、その選手に対する今後の心象が悪くなることもあるだろう。ブランドの問題ですね。それをよく知っている有名人の聖火ランナーたちは早々に辞退して、逆に好意的に取り上げられていました。

オリンピック委員会や政府関係者も、その立場がなければ「本当は反対」なのではと思います。彼らは完全なテクノクラートで目の前の実務を粛々とやっているだけでしょう。正直、辛いだろう。損な役回りを押し付けられたと被害者意識すらあるかもしれない。しかしそれも仕方がないと思います。なぜなら交渉相手から与えられた枠組み・条件のなかでしか考えないから。こんな時、トランプや金正恩ならどうIOCと交渉するだろうかと思います。おそらく「相手の不利益になる脅威を作り出し譲歩させる」だろう。これは日本がIOCにやられてきたことでもある。IOCの不利益とは何か。彼らが取り損なうことを「作り出して」交渉してはどうか。日本のテクノクラートはそういうことをしてきたか?「契約?そんなのカンケ―ねえ」とやってきたか?相手がぼったくろうとしているなら尚更だ。

それにしてもIOCというのは恥知らずな組織だと思います。「ぼったくり男爵」とは絶妙なネーミング。僕にとって感染拡大は問題ではない。このような尊敬できない利権団体が行うイベントには反対です。将来的にもそんな五輪なら無くて良いと思います。

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