ブランドステートメントって何かの役に立つのか?
配信日:2024年10月4日
ブランドステートメントなんて、別にいらないと思っている人がいるかもしれませんね。実際、なくても会社は回るし、利益も上がるかもしれない。「毎日の仕事に追われていると、理念や価値観を考える余裕なんてないよ」。そういう気持ちもよくわかります。事実、短期的にはなくても何も困りません。でも、実は長期的には大きな問題が起こりうることをご存じでしょうか。今日はこんな話をしましょう。ステートメントがない企業は、目先の利益を優先して、その一瞬はうまくいくかもしれないが、その結果、顧客や社員の信頼を失ってしまうことがあります。例えば「らしくないこと」をやってしまう。または顧客不在のことをしてしまう。こんなことは昨今の不祥事をみていればどれだけでも事例を挙げられそうです。
企業だけではない。考えてみてください。歴史上、軍事国家や独裁国家が短命で終わったのは、まともな憲法や法の支配がなかったからです。力や勢いだけで支配しようとしても、それは長く続かない。企業も同じですね。がむしゃらに利益を追いかけるだけでは、いずれ道を踏み外してしまう。ブランドステートメントがなければ、どこまでやっていいのか、何が大切なのか、判断基準がなくなってしまう。
一方、ステートメントが難解で長すぎると、これまた困ります。誰も覚えられないし、守ろうともしない。これはステートメント自体が悪いというより、「ステートメント運用の前提」が悪いのです。あまりにも理想的なものや、複雑で理解できないもの、勉強しないとダメといったものでは、誰だってスルーするのは自然なことです。スルーする社員を責めても仕方がない。だからこそ、シンプルで最小限のステートメントが一番いいのです。簡単で、覚えやすく、みんなが日々の行動で自然に守れるものがよい。たとえば、「お客様を大切にする」とか、「誠実であること」。こんなふうにシンプルな言葉なら、誰もがすぐに理解して、自然とそれに基づいた行動ができますね。
シンプルであればあるほど、ステートメントはブランドや企業の進化も許すものです。企業は時代とともに変わり続ける必要がありますね。でも、細かい規定に縛られていると、新しいことに挑戦できなくなってしまう。だから、シンプルなステートメントは、変化に強いのです。まるで柳のように、しなやかで柔軟に風に揺れながらも、根はしっかり張っている。そういう企業は、どんな嵐が来ても倒れない。結局、ブランドステートメントは、企業が「道を踏み外さないための羅針盤」なのです。目先の利益に走らず、長期的に信頼を築くためには、シンプルで、誰にでもわかるものでなければならない。それが企業を長生きさせて、成長し続けるステートメントの姿です。
年別バックナンバー
2024年 人気の記事

普遍的な価値というブランド力
2024年11月13日配信

リブランディングの考え方とポイント
2024年11月6日配信

ブランディングとマーケティングの違い
2024年10月23日配信

ChatGPTと仲良くなるために
2024年8月30日配信

市場導入戦略とアマゾン
2024年7月12日配信

自社のマーケティングのクセを知る
2024年6月28日配信

社内の温度感と社外への伝播
2024年6月14日配信

ビールはエンタメだ!
2024年5月31日配信

競争の激しい市場で新ブランドを売る
2024年4月24日配信

競争の激しい市場で新ブランドを売る
2024年4月17日配信

リーダーブランド失敗の舞台裏
2024年4月10日配信

日本企業の社長の夢
2024年4月3日配信

固定観念が出来上がっている事業ブランドの変革
2024年3月27日配信

インナーブランディングのコツ
2024年3月19日配信

ゲームを再定義するアプローチ
2024年2月28日配信

あらためてコロナ後のいま
2024年2月7日配信

ブランド投資の対象になるもの
2024年2月1日配信

インサイト/顧客の価値観
2024年1月24日配信

ブランドの持ち味・らしさ
2024年1月17日配信

事業計画、マーケティング計画のコツ
2024年1月10日配信