デジタル・マーケティングの「デジタル」はそのうち不要になる。
配信日:2018年03月14日
最近はデジタル・マーケティングという言葉をクライアントさんのなかでも普通に使うようになっています。私はそのうち「デジタル」という言葉はなくなるのではないかと思っています。つまりマーケティングといえば必然的にデジタル・マーケティングを意味するようになるのだろうと思っています。それくらいこの分野は大事で、長期的なトレンドに乗っており無視できないものになっています。
私自身も実はこの分野での経験を必死になって蓄積しているところです。というのも、この分野はグーグルなどによって主導権を握られておりツールもごく短期間でどんどん進化していくからです。それを理解してついていくこと自体が大変です。実際、「走りながら学ぶ」しか完全に体得する方法はないのではないかと思うほどです。
そのような環境の変化はあるものの、昔から変わらない「普遍的なコンセプト」も存在しています。例えば「ブランド」という概念は昔もいまも変わりません。「ライト・ターゲット」「ライト・メッセージ」「ライト・アプローチ」、これらも同様でしょう。これらはテクノロジーがどれほど進もうと、人を相手にする以上、またはマーケティングがマーケティングである以上、変わることない原理原則であり、基本的な発想だと思います。
ブランド認知の重要性もそこに含まれると思います。デジタルの世界であろうと認知レベルは重要な問題です。例えば「エナジードリンクが欲しい」と思えば「エナジードリンク」と検索するかもしれません。するといくつかのブランドが出てくる。そしてそのなかでの競争が待っています。しかし最初から「レッドブル」と打ち込んでくれれば真っ先にレッドブルを表示してくれて、そこから先の競争は無しです。そうなるにはデジタル以外の広告も必要だし、デジタル以外の購買タッチポイントを広げることも当然、重要です。
そもそもブランドを作る目的とはこのような「指名買い」をさせることにあります。例えば「今日はお昼に蕎麦が食べたいなぁ」と思った時に「そうだあの店に行こう」と思いだしてくれれば、たいていの人は、まずはその店に足を運びます。競争もあまりありません。その蕎麦屋がプロモーションや割引をしていなくても、お客さんのほうから「一つください」と言ってきてくれるのです。つまり販売効率が非常に良いわけで、これがブランド認知の価値です。「お客さんがニーズを感じた時に真っ先に思い出してもらえる状況」を作れればどんどん売れていくのです。
そのようになるまでにやることがたくさんあります。かつてのマーケティングもそうだったし、いまのデジタル・マーケティングも同じです。デジタルの分野ではデータの蓄積によって仮説の検証が非常にしやすいためPDCAサイクルが劇的にスピードアップしているのはありがたいです。この仮説検証をベースに取り組むというのもマーケティングの普遍的なコンセプトです。