世の中の働き方はどんどん変わっていく
配信日:2019年3月13日
久しぶりにサラリーマン時代の同期2人と飲みました。新卒で同じ会社に入り早くも27年。もうみんな50歳です。その間に僕は2回の転職、34歳で本を出したのをきっかけに独立して、いまもマーケティングの仕事をしています。他の2人はひとつの会社でいろいろな仕事を経験し頑張って、いまそれぞれに活躍・出世しています。それぞれがそれぞれの道で頑張ってきたことを讃えあえるような飲み会でした。
「最近の我が社はどうなの?」と聞いてみると、随分と働き方が変わったと聞きました。御多分に漏れず、ワークライフバランスの改善のために労働時間の短縮や、都内の各所にサテライトオフィスをもったりコアタイム制を取り入れたりと労働時間の弾力性を高める取り組みも行われているとのこと。私がサラリーマンをやっていた時と比べて、明らかにフリーランス的な働き方にシフトしているのを実感しました。
副業も会社として解禁になったと。そこで「副業はしないのか」と聞くと、一人は「既にしている」。日本の雇用人口のうち副業をしているのは僅か4%程度なので、かなり珍しい部類かと思います。いくら副業が解禁になったというものの、やはりまだまだネガティブなイメージがあるのでしょう。しかも他の機会に営業系や事務系のひとに聞くと、昼中の仕事が手一杯でとても夜まで働く気になれないといいます。おそらく働く必要もいまはなく、もっともな答えです。しかしこれも、例えばウェブ・デザイナーやクリエイターのような「頭脳労働で手に職」的なひとから徐々に浸透し、副業も社会的な地位を得ていくように思います。
先日の日経MJで「アドレスホッパー、定住しない若者たち」という記事を読んだ方も多いかと思います。アドレスホッパーとは家を持たずシェアハウスなどを転々としながら多拠点生活をベースとするワーカーのことで、れっきとした定職のある社会人です。最近のサブスクリプションに代表されるように、「所有からシェア」という価値観の変化のなかで出てきた新しい働き方とも言えます。荷物は小型スーツケースとパソコンなどをいれたリュックひとつ。そして好きな場所で好きな仕事をするスタイル。「地域活性化と教育をテーマにその地域に貢献したい」「家を持たない環境で視野を広げ、医療と人生を豊かにするヒントを探りたい」というようなものから、「興味を惹かれる土地に一定期間住み、ネットに繋がり仕事をしたい」というのもあります。積極的で合理的な選択であることが伺えます。僕が高校生の頃、沢木耕太郎さんの『深夜特急』を読んで「いつかこんなふうに世界旅行をしたい」と思いましたが、いまならこの手があるかもしれない。これもシェアリング・エコノミーが社会インフラになってきている証明でしょう。
厚労省によると「2035年には企業という枠が溶け、働き方はミッションや目的が明確なプロジェクトの塊となる」と言われています。まさしくグーグルなどでのプロジェクトベースの働き方が世の中のスタンダードになるような予言です。僕のようなコンサルタントやフリーランスには働きやすい環境に向かっています。過去、日本のサラリーマンは「仕事が忙しくて自分のキャリア戦略を考える暇がない」ことが悩みでしたが、いまは「これからの人生・キャリア」を会社任せにせず、自己責任で考え実行していく時代だといえます。そのヒントになるような相談会(キックオフ・カンファレンス)も、そのうち始めたいと思います。
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